空母化した護衛艦「かが」前艦長が明言した“デメリット”とは それでも米国へ行く意義

甲板だけじゃない 航空管制室も一新!

 改めて「かが」を見てみると、F-35Bの運用を意識した、さまざまな装備やマーキングが新たに施されたことがわかります。

 飛行甲板の中央に引かれた紅白の線はセーフティ・パーキングラインで、右舷側のエプロンと左舷側の滑走路とを分けています。ヘリコプター・スポットを貫く黄色の線はF-35Bが滑走する中心線に当たるトラム・ラインで、艦首に引かれているのが滑走路の先端を表すバウ・ラインです。ちなみに「かが」では、バウ・ライン中央に飛行安全を願って、同艦のロゴマークに描かれている「海鳥」があしらわれています。

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報道陣に対して護衛艦「かが」を案内する艦長(当時)の國分一郎1等海佐(深水千翔撮影)。

 バウ・ラインから250フィート(約76m)地点に引かれているのが、F-35Bが推力ノズルを下に向けて上昇を始めるショート・テイクオフ・ローテーション・ラインです。第4、第5スポット付近はF-35Bが着艦する際のジェットエンジンのブラストに耐えられるようにするため、耐熱塗装が施されました。

 アイランド後部には、進入してくるF-35Bのパイロットに適切な高度を示す光学着艦装置(OLS)を設置。夜間でも運用が出来るよう灯火装置を設けたほか、動揺を防止するためのフィンスタビライザーの増設なども行われています。ただ艦内については、F-35B関連の改修が行われておらず、第2回特別改造工事で艦内の搭乗員待機区画などを整備する予定です。

 航空管制室は飛行甲板側の窓が拡張されました。案内していた「かが」の乗組員は「この窓が大きくなったことによって、航空機の発着艦がより見やすくなっている」と説明していました。

 ここには、飛行長(Air Boss)、飛行甲板管制官(DECK)、発着艦管制官(LSO)それぞれの椅子が設けられ、その後ろには飛行甲板と格納庫内にある機体を視覚的に把握する「ウィジャボード」が置かれています。

【艦首形状だけじゃない!】これがF-35B戦闘機を運用するための改造ポイントです(写真)

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