空母化した護衛艦「かが」前艦長が明言した“デメリット”とは それでも米国へ行く意義

ヘリコプター搭載護衛艦「かが」が戦闘機の運用試験を行うためにアメリカに派遣されました。ただ、甲板形状の他にどこが変わったのでしょうか。また、艦首形状が変わったがゆえのデメリットもあるようです。

艦首の形状チェンジ、長所と短所とは

「かが」の改造で特に大きく変わったのは艦首部分のデザインです。従来、いずも型の飛行甲板の艦首部分は、船体に沿って緩やかな曲線で構成された台形のような形をしていました。しかし、この形状では艦首付近に強い気流の流れが発生し、F-35Bの発艦に影響を及ぼしてしまいます。

 こうした理由から、「かが」では気流を軽減してF-35Bを安全に発艦させることができるよう、飛行甲板を矩形(長方形)に変更したのです。なお、この形状変更によって艦首付近の駐機スペースも広がったことで、機体への武器や燃料の積み込みといった作業も効率化できる模様です。1番艦の「いずも」でも艦首形状の変更を伴う特別改造が行われる予定で、海幕広報は「2024年度予算では、いずも型護衛艦の改造費用として計423億円が計上された」と説明しています。

 ただ、その一方で航行時の課題も見えてきました。

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護衛艦「かが」の飛行甲板(深水千翔撮影)。

「いずも型護衛艦は他の護衛艦と比べて、操艦する場所から近距離が非常に見にくい。今回の特別改造で、台形の部分が長方形になったことで、さらに左右艦首が見にくくなっており、近距離の目標により注意しながら操艦する必要があると感じた」(國分1佐)

 いずも型護衛艦は海上自衛隊最大の護衛艦として2隻がJMU磯子工場で建造され、1番艦「いずも」が2015年3月に、2番艦「かが」が2017年3月に就役しています。ただ、そこからほどなくして、政府はいずも型2隻での戦闘機運用を決定。2018年末に決定した「防衛計画の大綱」(防衛大綱)と「中期防衛力整備計画」(2019~2023年度)でSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)タイプの戦闘機であるF-35Bを導入し、いずも型には相応の改修を施すと明記したのです。

 前出の國分1佐は、「かが」の報道公開時に「いずも型護衛艦はヘリコプター運用機能、対潜水艦作戦機能、指揮中枢機能、人や車両の輸送機能、医療機能を兼ね備えた多機能な護衛艦だと認識している」と述べつつ、「F-35Bの運用能力を一義的に兼ね備える状態になったことで、多機能性にプラスされ、運用の柔軟性が増したのではないか」と話していました。

 なお、搭載機となるF-35B戦闘機は2024年度から配備が始まり42機が導入される計画で、防衛省は航空自衛隊新田原基地に「臨時F-35B飛行隊(仮称)」を発足させるほか、鹿児島県馬毛島に「いずも」の飛行甲板を模した訓練施設を整備します。

 日の丸をつけたF-35Bが航空自衛隊に引き渡されるのも、もう間もなくです。今回の「かが」の派米はその前段階として、各方面から高い注目を集めているといえるでしょう。

【了】

【艦首形状だけじゃない!】これがF-35B戦闘機を運用するための改造ポイントです(写真)

Writer:

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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コメント

3件のコメント

  1. ここまで金かけてやったのなら何故もっと大型にしなかったのか、中途半端で経費がもたいない。

  2. 国民を騙そうと思って進めた中途半端なプロジェクトだからねえ。

    中途半端な、なんちゃって空母作って壮大な無駄遣いをしたわけだ。

    頭悪すぎだわ。

  3. 護衛艦の空母化が派手に報道されているが、はたして今の時代日本に空母が必要性か?疑問だ。日本の護衛艦せいぜい日本海と東シナ海をパトロールするために多額の金を使い改造したり、高額なF-35Bを導入したり全くその必要性が分からない。現代の飛行機は飛行距離も伸び必要とあれば空中給油もできる。F-35Bと言えども簡単に空母から発着艦できるものではなく、特別なプログラムが必要でこのプログラムを搭載したF-35Bは自衛隊には一機もない。護衛艦の改造をしても日本のF-35Bを日本のパイロットによるテストすら出来ていないが現状だ。同じ金を使うなら空中給油機を増やし日本海・東シナ海上空で空中給油してやれば近隣諸国までの用は十分足りる。但し馬毛島は重要な要となるため整備は早急だ。

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