えっ、自走して来ないの!? 自衛隊「ピカピカの最新戦闘車両」納入から運用開始まで密着! “新車だからビニールはがさなきゃ”

迅速なのは移動スピードだけじゃない!

 射撃準備についても、従来のFH-70では多くの時間と人員が必要だったのに対し、19式では、その大部分が自動化されたため隊員の負荷軽減や作業の迅速化、省人化にも大きく寄与しています。

 自動化の主な特徴として、自己位置の測定があります。FH-70などでは、目標に対して正確に射撃を実行するためには、自らの位置を正確に測定する必要があり、人力による測量作業に加え、測量した位置に火砲を準備して射撃する必要がありました。それに対し、19式ではGPSや専用のネットワークシステムを使用し、迅速に自己位置を測定し、瞬時に共有することが可能です。そのため、射撃位置を自由に選定し、かつ、射撃位置に到着してから射撃の開始まで非常に短時間で行うことができるようになりました。

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入魂式にて太鼓の演奏を披露する熊本西特連太鼓部チームの隊員(伊藤洋平撮影)。

 FH-70では射撃諸元は全て人力で、砲の旋回ハンドルを回し方位角や射角を調定する必要がありました。これでは、時間と手間がかかるうえ、数字の読み間違いや調定間違いなどヒューマンエラーが発生する要因にもなっていたとか。このように自動化は安全面にも寄与するほか、教育・育成面でも格段に習熟に掛かる時間が短縮できるといえるでしょう。

 砲弾の装填も自動化されていますが、装薬の装填についてはFH-70同様に人力での作業になっています。なお、砲弾や装薬はFH-70と同じものが使えます。また、19式はトラック型のため、車体にも砲弾・装薬の積載スペースは設けられていますが、搭載数が限られるため、実際の運用では 3 1/2t大型トラックをベースとした弾薬車が19式1門につき1両随伴するとのこと。これで1セットとして運用されます。

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