宮崎空港の爆発事件で出動! 自衛隊「不発弾処理隊」知られざる活動とは? 気になる「危険手当」も
万一、作業中に爆発した際の準備も
不発弾の一部には、動かすことで爆発する可能性のあるものもあります。その場合は、現地にて不発弾を処理します。といっても、現地で爆発させることはまれで、基本的には爆弾に取り付けられた信管(起爆装置)を除去することによって、その爆弾が爆発しないように安全化することになります。
無論、作業中に爆発しない保証はありません。危険性が確認された場合、現場周辺の住民の安全を確保するために、自治体、警察、消防、自衛隊などによって「不発弾処理対策協議会」が開かれ、いかに安全、確実に不発弾を処理するのかが話し合われます。
不発弾処理現場では、万が一の爆発に備えて、直径2~3m、高さ6mほどの円筒形の「ライナープレート」と呼ばれる鉄板で強固な防御壁を構築し、そのなかで作業が行われます。その周囲を「1t土嚢」で覆い、場合によってはその外側をさらに土で覆います。
ここまでの準備ができたら、次は住民に対する周知を自治体が行います。具体的な避難半径は、5インチ艦砲弾で最大半径156m、50kg爆弾で半径166m、500kg爆弾では半径394mが避難半径になります。現場が都市部の場合、この広報と交通規制をかけるのに時間がかかるというわけです。
処理当日は、現場から離れた場所に現地対策本部を設置します。ここでは、不発弾の処理がスムーズに進むよう、関係各機関が情報共有するとともに、避難対象地域に居住する住民の避難も受け入れます。
その後、避難誘導が行われ、交通規制も掛けられます。避難半径内に住民が残っておらず、交通の規制も始まると、自衛隊による不発弾処理が開始されます。もし、処理中に避難半径内への人の立ち入りが確認されると、作業はいったんストップしてしまうため、避難や交通規制の時間も長引くことになります。
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