沖縄に「鉄道もう1本!」なぜ必要? ゆいレールとは別路線の計画 クルマ派にも恩恵ありまくりなワケとは?
クルマ旅行にも大いにメリットが生まれるワケ
つぎにレンタカー利用にも大きな効果が生まれそうです。現在、那覇空港周辺のレンタカー営業所は、一部の事業者を除けば、空港ターミナルよりもかなり南、送迎バスで20分程度のところに集中しています。こうした営業所では空港到着からをレンタカーを借り出して出発するまで最短でも1時間、混雑時には2時間近くかかることもあります。
また返却についても、夕方のラッシュ時にかかる時間帯では「飛行機出発時刻の3時間前の返却」を指示するレンタカー会社もあり、リゾートを楽しめる時間が短くなるという弊害が生まれています。
もし鉄軌道が実現すれば、飛行機到着から鉄軌道に乗って1時間から1時間半後には恩納村や名護市でレンタカーを借り、帰りは飛行機出発の2時間前に返却して、余裕をもって空港へ戻ることも可能となり、沖縄観光のタイパ(タイムパフォーマンス)が大きく向上するはずです。
最後に、名護市周辺、さらには北部の観光振興です。名護市周辺には“クルマで行ける離島”の瀬底島や伊江島、さらに「美ら海水族館」など人気の観光スポットが点在しており、2025年には新たなテーマパーク「ジャングリア」の開業が予定されています。鉄軌道の実現は観光客にこうした観光スポットへの容易なアクセスが、地元には観光客増による経済効果が生まれることになるでしょう。
ただ実現には大きなハードルもあります。計画書では那覇市から宜野湾市まで、北谷町からうるま市までを地下トンネルとしていますが、そのコストと工期が大きな課題になりそうです。
また那覇空港との接続については、同じく那覇空港を起点とするゆいレールの経営への影響も懸念視されています。
関係者が知恵を出し合い、そうした難題を乗り越えての事業化を、ぜひ心待ちにしたいと思います。
【了】
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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