「世界一高い」日本の自動車諸税、ついに変えられる? カギは「国民民主党」!? 躍進で状況一変のワケ
新しい自動車関係の税金、その改正ポイントは、シンプルではっきり!
前出した日本自動車会議所は10月29日までに、2027年度の税制についての要望を経済産業省、国土交通省、環境省の3省に実施しました。会議所は自動車関係162団体を会員に、学識経験者で構成される要望・提言の団体です。新しい自動車税制の内容は、ここから推測することができます。
現在の自動車税制改正の問題点は、税体系や課税根拠が環境変化に適応できていないことです。そのため日本自動車会議所は抜本的な見直しが必要と主張しています。
自動車税に関する基本的な考え方は、単純な課税です。自動車の税金は大きく分けて、クルマを所有した時に発生する「取得時課税」と、保有し続けることで発生する「保有課税」があります。いくつもある自動車の税金を、大きくこの2種類に整理します。
・取得時課税は、消費税に一本化する
・保有時課税は、「重量」+「環境性能」に応じた課税
・軽自動車税は「定額」+「環境性能」
さらに、課税の方法について提言します。
・重量税の「当分の間税率」の廃止
・燃料課税の「当分の間税率」の廃止
・ガソリン、石油課税の「当分の間税率」の廃止
・ガソリン、石油課税にかかる消費税の解消
当分の間税率とは、文字通り「当分の間」とりあえず税率を引き上げて、時期を見て改めて税率を考えようと始まったはずが、50年間も続きました。
会議所の要望書には、もっと細かく多くの要望が掲げられています。このなかには、環境適応のために50ccエンジンバイクがなくなることで、税金値上げの瀬戸際にある新基準原付への課税も含まれています。
新しい自動車税制についての要望が、どこまで実現するかはわかりません。ユーザーが負担する自動車関係諸税は約9兆円ありますが、抜本的な見直しを断行するならば、自動車所有者のみが税負担する仕組みから、受益者全体の公平な負担に、課税の対象を広く拡大していくことを考えなければなりません。
いずれにしろ、はっきりとした全体像が国民に示されるのは、2025年12月末です。ただ、その前にどこまでの見直しがなされるかの方向付けは、今まさに議論が始まろうとするところです。締め切りは2024年12月末です。
【了】
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。
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