「え、留置場…!?」 交通違反の反則金未納者「ベランダまで警察官に囲まれた」―その末路とは? 11月は「追跡強化月間」
「逃げ得」は許さない、追跡捜査に経験者は
「違反切符をもらった時点で認めていたので、午前中の警察署での事情聴取は、刑事さんと普通の会話で終わりました。『本当は飯代を払ってもらうところだ』と言われながらカップラーメンをおごってもらったりした」と、前出の人物は続けます。しかしその後、留置場へ移され、状況が一転することに。
「(連れていかれた場所は)あまりも異世界。入れられる前に一息つきたくてトイレの場所を聞くと『そこにある』って指さされた先には、むき出しの便器。頭が真っ白になりました。さすがに不安で『いつ帰れますか』って聞くと、終わらなければ何日も泊まってもらうことになると言われて。ボコボコに殴られた感じ。これはただ事でないと思い知りました」
警視庁交通部は、こう告知しています。
《交通違反を犯し、再三の出頭要請に応じない者に対して追跡捜査を開始します》
これが「交通違反長期未出頭の追跡捜査」と呼ばれるもので、警視庁は年に2回、6月と11月を「強化推進」の月間と位置付けて、違反者の摘発に乗り出しています。
この告知の実施内容の説明は簡潔です。
《再三の出頭要請に応じない悪質な交通違反者の逃げ得を許さないため、追跡捜査を強化し、逮捕状を執行します》
前述の経験者は、こう反省の弁を口にします。
「検察の事情聴取を終えて、裁判を略式にするか、本裁判にするかと問われて『略式』でと即答しました。声には出さなかったけど、一刻も早く帰りたいだけでした。罰金も反則金とほぼ変わらず、すぐに納付することもできたので、夕方までには終わりました。本当によかったです」
そして、今も反省しているそうです。
「反則金納付がのびのびになっているうちに、それでもいいかってすませていたのですが、そうじゃない。軽い違反だからこそ、さっさと終わらせておけばよかった。同じような境遇の人は、迎えが来る前にぜひ終わらせておくことをお勧めします」
追跡捜査は、他の道府県警察でも実施されています。
【了】
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。
>罰金も反則金とほぼ変わらず、すぐに納付することもできたので、夕方までには終わりました。本当によかったです」
反則金(行政罰)と、罰金(刑事罰)では、もし金額にたいした差がなくても、かなり違うのですけどね……。
罰金払えば<前科者>。もう一生その経歴は消えません。転職する時も履歴書の賞罰欄に記載義務あるからね。職種(医師等)によっては一定期間仕事できなくなる処分をくらうこともあるし、一般の会社でも普通は、懲戒処分対象ですね(よほど悪質でないなら戒告とか譴責処分程度なのかもしれんが、人事査定にもマイナスになる)