新車「800万円超え」の軽自動車! でも乗ればホレる完成度 スズキ製エンジンでなぜ?
スズキ製のエンジンを搭載するオープンカー
「スーパーセブン170」は、スポーツカーと言っても動力性能に関して目を見張る部分はありません。心臓部はスズキ「ジムニー」にも搭載される排気量660ccの直列3気筒DOHCターボエンジン「R06A」です。トランスミッションやデファレンシャルなどの駆動系もすべてスズキの軽自動車と同じものを流用しており、最高出力は85ps/6500rpm、最大トルクは11.8kgf-m/4000-4500rpmに過ぎません。
しかし、全長3100mm、全幅1470mmという軽規格内に収まるコンパクトなボディの車重は驚異の440kg(オプション装備による最軽量乾燥重量)。スズキ「スペーシア」が850kg前後なので、軽ハイトワゴンの半分程度の重量です。そのため、0-100km/h加速は6.9秒という俊足ぶりを発揮します。ちなみに、車名の「170」の由来は1tあたりの馬力を示す値です。
もともと「スーパーセブン」は、ロータス・カーズ創業者のコーリン・チャップマンが設計したロータス「マーク6」の後継となる公道走行可能なクラブマンレーサー(アマチュア向きのレーシングカー)として1957年に発表されました。
ロータス・カーズが生産していた「スーパーセブン」は、大がかりな生産設備を必要としない反面、生産工程の大部分が手作業だったため生産性が低く、本格的なスポーツカーメーカーへの脱皮を目指していたチャップマンは、1966年に後継車のロータス「ヨーロッパ」の登場とともに「スーパーセブン」の生産終了を決定します。
しかし、「スーパーセブン」のスポーツカーとしての人気はいささかも衰えを見せてはおらず、むしろ当時ロータスの販売店であったケーターハム社は、その完成度の高さを惜しみます。その結果、1973年にロータス・カーズと交渉して、製造販売権のほか、在庫部品や製造治具などの生産設備一切を譲り受け、ケーターハム「スーパーセブン」として生産継続することを許されました。
このタイトルじゃスズキ製のエンジンなのに完成度が高いように見えるぞ