マンガや映画で大活躍! 世界初の実用VTOL機「ハリアー」完全退役まもなく 最後まで残るのは?
続々と閉鎖される「ハリアーII」のサポート体制
従来、アメリカ海兵隊においてAV-8B「ハリアーII」を運用する飛行隊は9つありましたが、新型のF-35B「ライトニングII」戦闘機が運用を開始したことで、多くの飛行隊が同機に機種転換(一部飛行隊は解散)しており、2024年11月現在もAV-8B「ハリアーII」を運用し続けている部隊は、VMA-231「エース オブ スペード」とVMA-223「ブルドックス」の2つだけです。
これら飛行隊も、VMA-231が来年(2025年)から、VMA-223も2026年度中にF-35Bへ機種転換する予定であることから、AV-8Bがアメリカ海兵隊から完全退役するまで、あと2年程度しかありません。
なお、完全退役の予兆は、運用を支える支援部隊の活動からも見ることができます。2024年3月には、長らくAV-8Bのパイロットを育成してきたノースカロライナ州のチェリーポイント海兵隊航空基地から最後となる2名の学生パイロットが卒業。これ以降、新たなパイロット教育は行われていません。
また、AV-8Bの整備作業を行う東部艦隊相応センター(FRCE)は、2024年10月に整備作業を行った最後のAV-8Bを送り出したと発表しており、以降はF-35などの別のプラットフォームのサポート業務へ移行する模様です。
軍用機を長期にわたって運用する場合、配備される飛行隊だけでなく、支援部隊による人員の育成や、計画的な整備作業も同時に行う必要があります。AV-8Bの場合、それらサポート体制が閉じられていることから、この機体が数年以内に退役するのはほぼ確定だといえるでしょう。
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