別名「戦車道路」 市民が憩う東京の緑道で、過去に何があったのか? グネグネ・ウネウネに“名残り”

東京都町田市の「尾根緑道」。高低差のある曲がりくねったこの歩道は「戦車道路」という別名があります。市民の憩いの散策路にはおおよそ似つかわしくない名前ですが、昔からそう呼ばれていたようです。どのような由来でしょうか。

「あれは戦車道路」と昔から住民が知っていたワケ

 試行道路は道路といっても装軌車両のテスト走行用なので、舗装もなされず、左右に曲がりくねり、また尾根沿いのためアップダウンが多い「悪路」でした。こうした特徴は散策用の緑道となった現在でも見て取ることができます。

 町田市史にある「第33回東京都農地委員会議案」の「旧軍用地管理換計画」付図によれば、いまの尾根緑道は予定区間の一部で、現在の町田市小山田の方まで道路が建設される計画だったようです。ただし、この史料は終戦直後のもので、陸軍が本土決戦「決号作戦」で整備しようと計画した作戦用道路と混同している可能性があります。

 相模造兵廠で作られた戦車・車両はこの道路でテスト走行が実施されましたが、生産力の低さを反映してか、テストそのものは週に一度くらいしか行われなかったといいます。

また、テストの際には近隣住民に意を促すため事前にビラ配布・掲示などが行われたと伝えられています。このため、近隣住民は陸軍の試行道路の存在を知ることとなり、誰言うとなく、そこを「戦車道路」と呼ぶようになったのです。

Large 20241215 01

拡大画像

尾根緑道の中間部(瀬戸利春撮影)。

 戦車道路においてテストが行われたのは主に九七式中戦車チハでしたが、その他の機甲車両の試行も行われたとも伝えられています。おそらく、三式中戦車チヌや一式砲戦車、一式半装軌兵車、一式半装軌貨車などもここでテストが行われた可能性があります。

また、本土決戦に備え相模原造兵廠で試作されていたチト車(四式半装軌兵車を改装、75ミリ砲を搭載した対戦車自走砲)は、完成の暁には間違いなくこの道路でテストが行われたでしょう。

【これが「戦車道路」で走らせていたであろう車両たちです(写真)】

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. ロシア海軍の潜水艦に「異変」! 衛星画像の分析で明らかに 船体に“巨大な傘”を設置か イギリス国防省が指摘
  4. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  5. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号