渋谷~羽田30分以内 「蒲蒲線」の利点と懸念

利点があるも軽くはない「蒲蒲線」の懸念

「蒲蒲線」の利点について、この計画に大きく関わっている東京都大田区は次のように述べています。

●離れた場所にある東急・JR蒲田駅と京急蒲田駅。それを結ぶことで区内の移動、日常生活が便利になる。
●蒲田地区のターミナル機能が強化され、地域の発展につながる。
●東京都西南部、多摩地区からの羽田空港アクセスが強化される。
●東急東横線と直通運転を行っている東京メトロ副都心線、東武東上線、西武池袋線方面、また東京メトロ日比谷線方面、東急目黒線方面との移動が便利になる。
●羽田空港~蒲田~渋谷~新宿三丁目~池袋~東京西部を結ぶ広域交通軸が形成され、羽田空港を中継して国内外との広大なネットワークが構築される。
●ルートが複数存在することは緊急時の迂回などで役立つ。

 しかしこの計画には、次のような懸念もあります。

●約1080億円とされる総事業費。
●東急と京急で線路の幅(軌間)が異なるため、乗り換えが必要。
●「蒲蒲線」は渋谷~羽田空港間が乗り換え1回で30分以内だが、JRの「羽田空港アクセス線」は新宿~羽田空港間を乗り換え無し23分で連絡する計画。渋谷駅からだと、さらに数分短縮される。

 線路の幅は東急が1067mm、京急が1435mmのため、列車の直通運転ができません。そのため「蒲蒲線」計画では、「東急蒲田地下駅」で東急の列車から京急の列車へ乗り換えることになっています。

 階段を昇降することなく、同じホームの向かい側に停車している列車へ乗り換える形ですが、空港路線で利用者の荷物が大きいことを考えると、楽観視はできないでしょう。線路幅が異なっても直通運転できる「フリーゲージトレイン」も存在しますが、日本ではまだ実用化されていないうえ、車両製造費などの面でも影響が出ます。

 国土交通省の小委員会は「蒲蒲線」についてどうするか、早ければ今年度中に具体的な報告をまとめる予定です。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

5件のコメント

  1. 広軌と狭軌の二重軌道はできないのかな。

  2. 東急側は「地上の蒲田駅」と「地下の蒲田駅」、京急側は「京急蒲田駅」と「南蒲田駅」。同じ区間を乗車しても時間・便によって複数の違う駅で発着は紛らわしく不便極まりない。既に他方法でのアクセス充実の中で巨額投資してまで建設させる程の意義が疑問!単に地元関係者は「欲しい」「あった方が便利」ダケなのでは?

  3. フリーゲージトレインを導入しましょう

  4. 空港にうつつ抜かしている暇があるなら田都渋谷をどうにかしやがれ

  5. JRに勝てる要素があるとしたら、超頑張って運賃位かな?(笑)
    こんなしょーもない釜玉うどんもといカマカマ線やっとる暇あったら、
    田玉線の複々線化(超難関)や、15両編成化(超難関)でも検討したら?(´・ω・`)