深夜、伴走車と共に突如出現 時刻表に載らない蒸気機関車
深夜の駅に突如、蒸気機関車と「SL伴走車」が現れました。時刻表にはもちろん載っていませんが、実は時々、普段は蒸気機関車が走らない場所でも、それを見かけることがあったりします。また「SL伴走車」とは、どういうものなのでしょうか。
人知れず深夜の東京を走った蒸気機関車
蒸気機関車がけん引し定期的に運行される旅客列車は、1975(昭和50)年12月14日に室蘭本線の長万部~岩見沢間(北海道)で走ったのを最後に、日本から姿を消しました。
しかし翌1976(昭和51)年、行楽利用が目的にされたSL列車が静岡県の大井川鐵道で復活。以後、同様に行楽利用を目的としたSL列車が全国各地で走るようになりました。
現在運転されているそうした行楽目的のSL列車は、大きくふたつのパターンに分けられます。D51形498号機、C61形20号機と上越線の「SLみなかみ」、C57形1号機と山口線の「SLやまぐち号」などのように、その蒸気機関車のいわば「ホームグラウンド」である程度定期的に運転される例がひとつ。もうひとつは観光キャンペーンなどに伴い、普段は蒸気機関車が走らない場所で臨時運行されるパターンです。
そうした普段は走らない場所でSL列車を臨時運行する場合、蒸気機関車を車両基地からその路線へ持っていかねばなりません。ということはSL列車、そうした時刻表に掲載されない回送を含めると、実は人知れず色々なところで走っている、ということになるのでしょうか。
これはある意味正しいですが、想像するようなものではありません。そうした回送は基本的に蒸気機関車が煙を出して自走するのではなく、電気機関車などにけん引されて行われるからです。2014年11月23日から24日にかけても、電気機関車にけん引された蒸気機関車の回送列車が走りました(正確には「配給列車」)。
11月23日深夜、JR東日本高崎線の熊谷駅(埼玉県)に突如、時刻表にない列車が入線してきました。EF81形電気機関車にけん引された、C61形蒸気機関車と青い12系客車です。水戸駅(茨城県)と安積永盛駅(福島県)を結ぶ水郡線の全通80周年を記念し、同線でSL列車の記念運行が決定。それに使用される蒸気機関車と客車を群馬県高崎市の車両基地から水郡線へ、都内経由で回送していたのです。
回送されていたC61形蒸気機関車には「行先:水郡線営業所」「発送場所:高崎車両センター高崎支所」と書かれた「回送車票」が掲示されていました。
山手線が、自動運転あり得ません。