これがなければ「のぞみ」は静岡止まり? JR東海、周波数変換装置を取り換え

もうひとつの「境界ごえ新幹線」、33年間の差

 日本には東海道新幹線のほかにもうひとつ、周波数の境界を超える新幹線があります。長野新幹線(北陸新幹線)です。関東は50Hzですが、長野県では原則として60Hzの電気が使われています。

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軽井沢駅西側の周波数変更地点付近を通過する長野新幹線(2011年11月、恵 知仁撮影)。

 しかし長野新幹線には、東海道新幹線のような周波数変換変電所はありません。50Hz、60Hz両方の電気で走れる車両を使用しているからです。軽井沢~佐久平間に架線の電気が50Hzと60Hzで切り替わるポイントがありますが、列車は何事もなかったように通過していきます。

 ではなぜ東海道新幹線は両対応の車両を使うのではなく、周波数変換変電所を設置する方法にしたのでしょうか。その理由として国鉄新幹線総局に勤務していた海老原浩一氏は著書『新幹線』(成山堂書店)で「50、60Hz両用の電車では重量が大きくなる」ことを挙げています。東海道新幹線が開業した1964(昭和39)年当時、両対応の車両を制作することは不可能ではなくとも、デメリットが大きかったのです。

 その問題をクリアし、長野新幹線は1997(平成9)年に両方の電気へ対応した車両を使って開業。33年という年月で、新幹線では「電気の使い方」も変わっていました。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

6件のコメント

  1. 東海道新幹線も順次新しい車両に切替えているようですが、このタイミングで長野新幹線のような両周波数対応車両に
    切替えて、全部切り替わったところで古い周波数変電所を更新せず廃止、という流れにならなかったのはなぜでしょうか?
    周波数変電所の更新・増設費用の方が安く上がったのでしょうか?

  2. 50Hz区間と60Hz区間の割合が、(山陽区間も含めると)圧倒的に60Hz区間の方が長いというのも理由じゃないでしょうか?
    150km程度の50Hz区間に対応させるために、わざわざ全車両をリプレイスするよりは、地上設備で対応した方がトータルでみて低コストだという判断もあるかと思います。

    • なるほど、確かに、東京~博多で考えれば、東京から静岡ってのはごく一部ですね。
      周波数両用車両が増えれば、JR間でいろんなパターンの乗り入れや車両融通も可能にならないかなとか思ってました。
      周波数だけでなく安全管理などの統一も大変そうだし、そういうのは当分なしですかね。
      車両融通や東京で新幹線乗り換えなしって需要も現実にはなさそうですし。

  3. 昔の機器は50Hz専用機とか60Hz専用機があった程で良くてスイッチ切替出来るって位でしたね。
    インバーターの登場で周波数変化が自在になるとヘルツフリーになったり本来回転数変化には適している交流モーターが扱いやすくなったりと交流のほうが都合良くなりました。
    東海道新幹線の場合は60Hz地域が圧倒的に長いのと本来周波数が高いほうがメリット大きいので60Hzに統一したんでしょうが
    まだ国鉄が続いていて東北新幹線と直通となっていたらどうだったんでしょうかね?

  4. リニアができたら鹿児島中央駅~札幌まで一直線にできるかもしれないからそのための準備では。

  5. 中学生の頃、学校の文化祭で展示する目的で、HOゲージの鉄道模型(80/1、直流12~15Vもしくは交流20V)で、交直両用電車の実験を公開した。国産規格のほとんどは直流15V、ドイツのメルクリンのみが交流20Vだったので、両区間を絶縁レールを挟んで接続し、車両は国鉄401系で、TcMM'Tcの4両固定編成(全長1m)。

    直流区間ではMのパンタグラフから集電してリレー1がONとなり、普通にモーターを駆動て走り、絶縁区間ではリレー1がOFF、M'内蔵の9Vバッテリーで25㎝の絶縁区間を通過、交流区間で再びMのパンタが感電すると、交流リレー2がON、ブリッジ整流ダイオードを通り整流された直流が、独メルクリン社製の逆転スイッチ(元々は交流をオンオフごとに逆転させるリレー)を介してモーターを駆動した。もちろん、ちっぽけな弱電の模型では、周波数など無視できた。