ナンバープレート装飾、規制強化でカバーは禁止 対策迫られるメーカーとショップ

「法に違反している商品は扱わない」

 この報告書では先述のフレームや、ナンバープレートを固定するボルトのカバーについて、ナンバーの一部を覆うことなく誤認のおそれがなければ、具体的に基準を設けたうえで使用を許容すべきとされました。しかしシールなどそのほかの装飾物に関して、その貼付、取り付けは禁止すべきとされています。

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視認性が低く、問題があると考えられるナンバープレートカバー(画像:国土交通省)。

 そしてナンバープレートカバーは、一見無害と思えるクリアタイプであっても太陽光の反射や雨水の付着で視認性が落ちることが確認されたため、「全面禁止が妥当」と判断されました。国土交通省の担当者によると「見にくい」という基準は正面からだけでなく、左右や上からといった斜めからの識別で難がある場合はその範囲内になりえるといいます。

 この報告書を受け道路運送車両法の改正などが行われた場合、メーカーやショップにも影響が出そうです。某メーカー担当者は「法令は公布から施行までにある一定の時間がありますので、それまでに対応する商品を開発するなど、内容次第です。メーカーとしては法令よりも厳しい規定で製作することで、常に安心してお使いいただける商品をご提供するだけです」とコメント。またあるショップスタッフは「法に違反している商品は、単純に扱わないだけです」と話します。

 現在、制度改正に向けて閣議決定などの手続きが踏まれていると考えられますが、その改正法案が実際に施行されるまでには、1年から1年半程度はかかるものと見られます。

 ちなみに一部市町村で採用されている、原付のナンバープレートにキャラクターなどの絵柄を描いた「ご当地」ナンバー。これについても識別性に問題がありそうに思えますが、実はこちらはこの件と関係ありません。原付は各市町村の条例でルールが決められており、今回検討が行われた道路運送車両法の対象外だからです。

【了】

Writer: 杉山雄二

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