狙われるスカイマークの8% 「再建の鍵」羽田便の不透明な行き先

スカイマークの「隙」に虎視眈々

 航空各社に割り当てられている羽田空港の発着枠は、2月時点で全日空と日本航空(各グループおよび共同運航便を含む)が464便を確保。一方スカイマークは36便ですが、同空港における国内線発着枠の約8%を占め、経営破綻した現在も羽田で3位の発着数を保っています。

 スカイマークが既存顧客を放さないためには、この羽田発着便の数を減らさず利便性を保持し、運賃を上げないことが大事です。はたしてそれが可能でしょうか。この点について現在、難しい局面に差し掛かっているといえます。

 採算性の高い「羽田発着枠」は非常に魅力的な存在です。羽田への乗り入れを模索しているLCC、また全日空、日本航空以外の国内線航空会社などは更なる羽田発着枠の獲得について興味を示しており、スカイマークの経営動向をリサーチしています。

 スカイマークが羽田発着枠を簡単に手放すはずはありませんが、実際、先述のような懸念から羽田便の削減が再建計画に盛り込まれれば「枠」を維持できなくなり、他社にその「枠」が割り振られることになります。

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スカイマークは現在、ボーイング737型を27機を運航しているが、機材リース料の支払いが課題(坪田敦史撮影)。

 また先述の懸念以外にも、スカイマークの大口債権者で同社へ機材を貸している航空機リース会社が、機材をスカイマークへ残すことが適切でないと判断した場合には機材を失うことになり、やはり便数を維持できなくなります。加えて便数維持にはパイロットを含むスタッフの維持(欠員補充)も大きな課題です。

 ただ「助け船」になりうる要素もあります。交渉中といわれる全日空、日本航空との共同運航です。共同運航する航空会社に約2割の座席を売り渡す、一部の旅客ハンドリングおよび乗員訓練について協力を得る、といったことが実現できれば、経費節減につながってくるからです。

 経営再建計画の詳細について、スカイマークは今年6月頃に発表するとしていますが、従来のようなスカイマークへ戻るとは限りません。最初はスカイマーク便として羽田発着路線を維持しつつも、共同運航、あるいは他の航空会社による出資を受けて、最終的には全く新しい会社へと姿を変える可能性も考えられます。

 投資家にとって、「羽田発着枠」は非常に魅力的な存在です。投資した者がスカイマークの羽田発着枠を徐々に獲得していく図式は、想像に値するでしょう。

【了】

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Writer: 坪田敦史(航空ジャーナリスト)

航空ジャーナリスト。パイロットの資格を持つ。航空会社、空港、航空機などの記事執筆・写真撮影を20年以上続ける。『わかりやすい旅客機の基礎知識』(イカロス出版)、『ヘリコプターの最新知識』 (SBクリエイティブ)など著書多数。最近はボーイング787、LCC、オスプレイといった航空関連トピックで、テレビや新聞でもコメンテーターとして活躍中。

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