超電導リニア、世界最速603km/hで走った本当の意味

4月21日に、603km/hで走った超電導リニア。鉄道史上最速の記録で、「ギネス」にも申請するといいますが、その最大の目的は別のところにありそうです。営業運転時、最高速度505km/hを計画している超電導リニア。それが約100km/hも速い603km/hで走ったことに、はたしてどんな意味があるのでしょうか。

ふたつの鉄道速度記録

 超電導リニアは、車両に搭載した超電導磁石と地上コイルとのあいだの磁力によって、車両が約100mm浮上。非接触で摩擦を利用しないため、安定した高速走行が可能です。1962(昭和37)年に「東京~大阪間1時間」を目指してその研究が始まり、1997(平成9)年4月から山梨リニア実験線での走行試験がスタートしています。ちなみに、東海道新幹線が開業したのは1964(昭和39)年です。

 こうした高速型の磁気浮上式鉄道では既に、ドイツの技術を用いた「上海トランスラピッド」が2002年(平成14)年から中国で営業運転を行っています。しかし日本の超電導リニアとはシステムが違い、超電導磁石を用いず浮上量は約8mm。営業最高速度は430km/hです。超電導リニアを用いた中央新幹線は、営業最高速度505km/hが予定されています。また浮上量の大きい日本の超電導リニアは、地震に強いことも特長です。

 また高速鉄道は一般的に、車輪とレールで走る「鉄輪式」と、超電導リニアなど「磁気浮上式」に分けられます。「磁気浮上式」、またすべての鉄道において有人で世界最速を記録しているのは、今回603km/hを達成した日本の超電導リニアです。

 対し「鉄輪式」での世界最高速度は、2007(平成19)年4月3日にフランスのTGVが達成した574.8km/h。高速試験用に架線の電圧を上げるといった線路設備の強化などをし、記録されています。

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443.0kmを記録し「鉄輪式」で日本最速の955形「300X」(2011年10月、恵 知仁撮影)

 日本国内における「鉄輪式」の最高速度記録は1996(平成8)年7月26日、高速試験電車955形「300X」が東海道新幹線の米原~京都間で記録した443.0km/hです。そのため「磁気浮上式」も「鉄輪式」も、日本記録は共にJR東海が持っていることになります。

【了】

Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

1件のコメント

  1. 現状では常温超電導は実用化せず、磁石を液体ヘリウムで冷やし続けるわけで極めてコスト高になるはず。

    このような代物を作るより、飛行機網を整備するほうが日本のためだと思います。余った予算は人工知能や再生エネルギーに投下しましょう。そういうこれから伸びる技術は世界に大きく遅れています。

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