EV推しの中国、日本のハイブリッドは意味不明? 日の丸エコカーに未来はあるのか

日本型ハイブリッド、中国では意味不明?

 現状、トヨタをはじめ日系ブランドのハイブリッド車は中国で苦戦を強いられています。日系自動車メーカーの人からは「なかなかハイブリッドの良さを理解してもらえない」という声が聞こえます。また、「ハイブリッドは普通のエンジン車よりも高い。そのため“高い”=“上級車”という目で買っている」とも。つまり、ハイブリッド車は“燃費のよいクルマ”や“環境によいクルマ”と見てもらえないというのです。そのため、「人生で初めてクルマを購入する」という人の多い中国では、購入の第一候補とならないのでしょう。

 さらに中国では、補助金という問題もあります。日本においてハイブリッドは補助金を支給される対象車です。ところが中国で日本型のハイブリッドは、補助金支給の対象外。なんと、中国が推すのは電気自動車(EV)なのです。そして、電気自動車同様に通常は充電走行を優先させるというプラグイン・ハイブリッド車。この2車種には補助金が支払われますが、日本型ハイブリッドはNG。自動車技術で日欧米をキャッチアップしたい中国としては、すでに先行されているエンジンの研究で頑張るよりも、これから競争が本格化する電気自動車の技術を中国で育てていこうという狙いが見てとれます。実際に中国の都市部では、エンジンのスクーターは禁止となっており、すべてが電動スクーターに置き換えられています。

 ちなみに、中国でシェアの高い外国ブランドはドイツ系です。そのドイツ系ブランドのひとつであるアウディは、今年の上海モーターショーで「プロローグ・オールクワトロ」をはじめ「Q7 eトロン」「A6 L eトロン」と数多くのプラグイン・ハイブリッドを公開しました。BMWやポルシェも同様です。ドイツ系ブランドはプラグイン・ハイブリッドを積極的に展開したのです。

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中華系ブランドは多くの電気自動車を展示。2人乗りのマイクロEVも飾られていた(2015年4月、鈴木ケンイチ撮影)。

 また、中華系ブランドでは、数多くの電気自動車の展示が見られました。特に、2人乗りのマイクロEVは量産モデルもあちこちに飾られています。もちろん、電気自動車は補助金の対象です。ショー会場で尋ねたところ、約22万元(440万円相当)の電気自動車には6万3000元(126万円相当)の補助金、25万元(500万円相当)のプラグイン・ハイブリッドに50万元(100万円相当)の補助金が支給されるという話も聞きました。

 そんな状況ですから、中国における日本のハイブリッド車は、「普通のガソリン車よりも値段が高く」、「補助金も受けられない」、「そもそもハイブリッドの意味が分からない」という扱い。ライバルであるドイツ系や中華系は、補助金対象モデル。これでは、日系メーカーのハイブリッドが苦戦するのも、仕方ないのかもしれません。

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コメント

4件のコメント

  1. アウトランダーは無視ですか?
    それとも、プリウスと同じようにしか見られていないのですか?
    だとしたら三菱の怠慢ですが…

  2. いかに、官僚と大企業そして政治家が癒着しているかを示しているのがハイブリッドといっても過言でない。
    エコを推進するなら公共交通機関を充実させるべきで、国がやっていることは筋が通らない。
    エコ自動車というなら、製造コストが安い電気自動車にすべきで、ハイブリッドは無意味だ。
    バッテリが問題ったって、交換式にすればいいだけの話。それを渋るのは企業論理だけにすぎない。

  3. 日本のメーカーだって、ハイブリットは、次世代燃料電池車や、EV,プラグインまでのつなぎだと考えているんだけどなあ、この記事書いてる人、大丈夫かな、ずいぶん前に、ハイブリッド車はいろいろな環境が整うまでの間だと言ってたのに

  4. 中国がEVに熱心に取り組んでいるのは良しとしても、EVへの電力供給のためのインフラをどう整備するつもりなのでしょうか。石炭火力発電は脱硫、脱硝、石炭灰の収集リサイクルのみならず、発電コストに見合うCO2の収集貯留技術を確立しないことには将来的に稼働が難しくなります。化石エネルギーを使わずに再生可能エネルギーと原発だけで電力をまかなえる時代が来るのかどうかはまだわかりません。