EV推しの中国、日本のハイブリッドは意味不明? 日の丸エコカーに未来はあるのか

日本で「エコカー」といえば「ハイブリッド車」のイメージが強いかもしれませんが、世界では違うようです。特に世界一の自動車マーケット「中国」はEVを推しており、日本型ハイブリッドには補助金が出ません。今後、日本のハイブリッド車はどうなってしまうのでしょうか。ただ日本陣営には「本当の戦いはこれからだ」という見方があるようです。

中国に適する日本型ハイブリッド、しかし現実は

 2015年4月20日から29日まで、中国で「上海モーターショー」が開催されました。昨年に2300万台を超えるクルマが販売された中国は、1650万台の2位アメリカを大きく上回る、世界一の自動車マーケットです。

 その地で行われたモーターショーでは、トヨタ、ホンダ、日産といった日系ブランドはこぞって「ハイブリッド」の新型モデルやコンセプトカーを並べました。トヨタは、中国専門モデルである「レビン・ハイブリッド」。ホンダは、「コンセプトD」というSUVのハイブリッド。日産は「ムラーノ・ハイブリッド」を公開しました。レクサス、インフィニティのブースも当然、ハイブリッド・モデルがズラリと並びます。

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上海モーターショーのトヨタブースに展示されたカローラハイブリッド(2015年4月、鈴木ケンイチ撮影)。

 エンジンとモーターの力を合わせて、飛躍的に燃費性能を高める技術がハイブリッドです。日本においては、新車販売ランキングの上位に「アクア」や「プリウス」といったハイブリッド専門車が並びますし、「フィット」や「カローラ」などの人気モデルにはハイブリッドのグレードが用意されています。

 ところが、その日本自慢の技術が世界的に人気なのかというと、かなり厳しいというのが現状です。世界第2位の自動車市場であるアメリカは、もともと大きなクルマが大好きで、ガソリン価格も低く抑えられているため、省燃費をうたうハイブリッドの人気はもうひとつ。また、日本型ハイブリッドは速度域が低く、ストップ&ゴーを多用するシチュエーションでこそ真価を発揮する技術。そのためアベレージ速度の高い欧州では、ハイブリッドの特性が生かしにくいこともあって、こちらもヒットとは、ほど遠い状況です。

 しかし、世界を見渡せば、アベレージ速度が低く渋滞の多い地域が存在します。それがアジアです。特に注目は世界最大の自動車マーケット、中国。平均速度が遅く、渋滞の多い中国の交通事情は、日本型のハイブリッドにはうってつけです。ところが現実は厳しいものがありました。

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コメント

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5件のコメント

  1. アウトランダーは無視ですか?
    それとも、プリウスと同じようにしか見られていないのですか?
    だとしたら三菱の怠慢ですが…

  2. いかに、官僚と大企業そして政治家が癒着しているかを示しているのがハイブリッドといっても過言でない。
    エコを推進するなら公共交通機関を充実させるべきで、国がやっていることは筋が通らない。
    エコ自動車というなら、製造コストが安い電気自動車にすべきで、ハイブリッドは無意味だ。
    バッテリが問題ったって、交換式にすればいいだけの話。それを渋るのは企業論理だけにすぎない。

  3. 日本のメーカーだって、ハイブリットは、次世代燃料電池車や、EV,プラグインまでのつなぎだと考えているんだけどなあ、この記事書いてる人、大丈夫かな、ずいぶん前に、ハイブリッド車はいろいろな環境が整うまでの間だと言ってたのに

  4. 中国がEVに熱心に取り組んでいるのは良しとしても、EVへの電力供給のためのインフラをどう整備するつもりなのでしょうか。石炭火力発電は脱硫、脱硝、石炭灰の収集リサイクルのみならず、発電コストに見合うCO2の収集貯留技術を確立しないことには将来的に稼働が難しくなります。化石エネルギーを使わずに再生可能エネルギーと原発だけで電力をまかなえる時代が来るのかどうかはまだわかりません。

  5. 確かに将来的にはガソリン・軽油のエンジンは生き残りは難しいでしょうけど、現状を見ると電気スタンドの普及はまだまだ、充電時間や走行距離の問題もあり一挙に電気自動車にとって代わるのは無理でしょう。そんなことは日本の自動車メーカーが考えていない訳がなく、エンジンを造るだけの技術もノウハウもない中国がこれ幸いと電気自動車に乗り換えているけど、タクシーやバスと言った分野でしかシェヤを取れていない。
    もちろんハイブリット何て言うのは、電気や水素自動車が普及するまでの一時的な仇花だと思っているので、
    私は興味なく、購入の意対象外です。
    やっぱ車は高馬力多気筒でしょう、時代に逆らいますけど!