B-52爆撃機、前代未聞の就役70年!“おじいちゃん”まだまだ飛べるぞ!! 司令官も「あと30年頑張って」

2025年6月29日、B-52「ストラトフォートレス」が初の運用開始から70周年を迎えたことを発表し、その長年の功績を称えました。

就役100年目までは確実に使われる

 アメリカ空軍で戦略爆撃機などの運用を担う地球規模攻撃軍団(グローバル・ストライク・コマンド:AFGSC)は、2025年6月29日、B-52「ストラトフォートレス」が初の運用開始から70周年を迎えたことを発表し、その長年の功績を称えました。

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2025年現在運用されているB-52H(画像:アメリカ空軍)

 AFGSCによれば、最初のB-52はワシントン州ラーソン空軍基地にあるボーイング・モーゼスレイク試験施設にて7時間の訓練飛行を行った後、カリフォルニア州キャッスル空軍基地の第93爆撃航空団に引き渡され、1955年6月29日に正式運用が開始されたとのことです。

 当初、B-52は核攻撃を想定した亜音速の戦略爆撃機として開発され、「常時空(アロー・アラート)」体制と呼ばれる、少なくとも1機以上のB-52を常時空中に待機させ、有事の際には即座にソビエト連邦を攻撃可能な態勢をとっていました。

 その後、ベトナム戦争を経て通常兵器の搭載にも対応できるよう改修が施され、2025年現在では、核兵器に加えて通常爆弾や精密誘導爆弾、巡航ミサイルの発射能力なども備え、運用開始から70年を経た今も、アメリカ軍にとって不可欠な爆撃機であり続けています。

 退役の予定は今のところなく、現役のB-52Hに搭載されている老朽化したプラット・アンド・ホイットニー製ターボファンエンジンを、ロールス・ロイス製の新型ターボファンエンジン「F130」へ換装する準備が進められています。これにより、B-52の運用期間はさらに延長され、就役から100年を超えて飛び続ける爆撃機となることがほぼ確実視されています。

 戦略爆撃機および核戦力の指揮を担うグローバル打撃作戦センター(JGSOC)司令官のジェイソン・アルマゴスト少将は、B-52について「その誕生以来、国家の戦略的抑止の要として存在してきました」とその意義を強調し「70周年を祝うとともに、次世代モデルが“力による平和”という理念を体現し、2050年代へと我々を導いてくれることを期待しています」と述べ、今後への期待を語りました。

 なお、アメリカ空軍では、すでに親子3代にわたりB-52に搭乗している家族も存在しており、今後は4代、5代とその伝統が受け継がれていく可能性もあると見られています。

【画像】わ、若い…! これが、就役したての頃のB-52です

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