自衛隊オスプレイ導入 真に議論すべきだったこと

自衛隊への導入が進められている垂直離着陸輸送機「オスプレイ」。それについて「欠陥である」、また「島嶼防衛の切り札である」といった論調が見られますが、議論すべき本質はそこではなく、加えて実態以上に政治問題化されてしまったため、本当にすべきであった議論がなされなかったかもしれません。

なし崩し的になったオスプレイ

「オスプレイ」は飛行機とヘリの良いところを受け継いだユニークな航空機です。世界的に展開する米軍においては、その速度や航続距離はいかんなく発揮されており、既存のヘリの数倍の価格に見合った戦果を残しています。

 しかし、米軍よりも遥かに予算が小さい自衛隊において、「オスプレイ」は17機総額3600億円の大盤振る舞いしてまで導入する必要性が本当にあったのでしょうか。3600億円あれば、「オスプレイ」を導入するよりも遥かに防衛力向上に寄与できる装備があったのではないでしょうか。

 兵器は高性能なものを求めればよいというものではなく、投じた費用に相応しい効果を発揮し、かつ無理なく運用可能なものでなくてはなりません。

「オスプレイ」は単なる輸送機に過ぎませんが、残念なことにその実態以上に政治問題化されてしまっています。結果として「オスプレイ」の「コストパフォーマンス」は適切なのか、自衛隊は「オスプレイ」で何をしたいのか、こうした真に必要な議論が冷静に論じられることなく、政府はなし崩し的に「オスプレイ」の導入を決定してしまいました。

 責任は政府だけではなく、非理性的で根拠のない欠陥論に固執する野党や一部メディアにもあります。本来ならば野党は、「オスプレイ」で何をしたいのか、なぜ必要なのか、今後さらに必要となる「オスプレイ」の維持・整備・燃料費を含め、追及しなくてはなりませんでした。

【了】

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

3件のコメント

  1. 兵員を展開するのに掛かる時間と人数が重要なのでは?この記事には兵員展開に掛かる時間、つまり島嶼防衛なり離島奪還に要する時系列的思考が欠けているように思うのですが・・・投入できる兵員数と投入に掛かる時間は戦場に於いては尤も重要ですよね。ヘリコプターとオスプレイの違いによる戦場への影響を比較するにはデータが足りないように思います。一度に運べる人数と価格面の比較だけではねぇ・・・

    • 小生難しいことはよく分かりませんが雌プレイなら毎日しております

  2. あと、C-1ないしC-130H「ハーキュリーズ」輸送機から空挺降下(パラシュート)での兵員展開は面での制圧ですが、オスプレイによるピンポイントへの兵員展開とは、そもそも作戦が違うのではないかと・・・?

    それと確かに戦車の輸送にはLCACが必要ですが、戦場が戦車戦を展開できる離島なのかも分かりませんし、仮に尖閣諸島であれば戦車戦はあり得ません。もちろん空挺降下も。尖閣諸島で空挺降下となれば、すでに戦況は日本が制圧していると思うんです。もし敵国が制圧していたのなら死者を増やすだけですし、お隣の大国と違って死者を出す前提で兵員を空挺降下出来るほど日本には人的戦力はありませんから。

    別に記事を否定するつもりではありませんが、比較する内容が限られている内容なので読んでいるとオスプレイ配備を否定したいが為の記事なのではないかと思えてしまいます。

    なので、私のような一般人には『真に議論すべきだったこと』としては判断しずらいかと思います。

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