なぜ新幹線は道徳教育に役立つのか 現役教師たちの視点とは
理科、社会以外で活用できる「新幹線」
「新幹線」や「超電導リニア」を学校教育にどう活かせるのか、考えてすぐ思い当たるのは技術など理科的な部分と、公共交通機関という社会的な部分でしょう。しかし、教師たちによる意見交換会で挙がったのは、そうした視点に限りませんでした。
「“先人の知恵”という意味で道徳教育にも使える」
「『日本の技術は優れている』と知ることにより、子どもたちも誇りを持てるのでは」
長年における技術の研鑽、積み重ねの成果である新幹線や超電導リニア。それを築いた人や歴史に触れることは、道徳教育になるのです。新幹線の開発に大きな役割を果たした鉄道技術者の故・島秀雄氏など“偉人”を学べる教材があれば、といった意見もありました。また、子どもが外国人に「日本」をアピールする題材として「新幹線」は適しており、語学教育にも活用できるのではないか、という考えも出ています。中学校の教師からは、「キャリア教育に使える」という声も上がりました。
「『新幹線』には先人の努力と知恵がつまっており、“ものづくり日本”の象徴でもあります。今回のイベントは、それを知っていただけるきっかけになったと思います」(「リニア・鉄道館」天野満宏館長)
JR東海は学校教育での新幹線活用を進めており、日本最大級の教育研究団体「TOSS」の協力で、新幹線を使った小学生向け教材を製作。2015年7月にその第1弾を公開しています。その教材は「リニア・鉄道館」ウェブサイトから無料でダウンロード可能です。
■リニア・鉄道館「楽しく学べる! 鉄道教材」
http://museum.jr-central.co.jp/materials/
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
NHKの「プロジェクトX」の新幹線開発のエピソードは必見!
当時見たときは感動した。