洪水救助で活躍 悪天候に強いヘリ「ブラックホーク」、その実力

夜間でも昼間のように見える「ブラックホーク」

 1800馬力のエンジンを2基搭載する「ブラックホーク」は、非常にパワフルです。警察や消防において広く採用されているベル412は900馬力の2基ですから、倍に相当します。その分「ブラックホーク」は機体がひと回り大きく、より多くの燃料や機器が搭載可能です。航続距離も倍近い1295kmで、航空自衛隊機のなかには空中給油装置を付加した機体も存在します(以下、装備の有無は個々の機体によって異なる場合があります)。

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陸上自衛隊のUH-60JA。機首部前方のでっぱりは気象レーダー。下部には赤外線前方監視装置が格納されている(撮影:関 賢太郎)。

 そして悪天候・夜間時における強さを実現し、作戦能力の要となっているのが各種電子機器です。機首部下面には「赤外線前方監視装置(FLIR:フリア)」を装備。夜間においても昼間とほぼ同等の映像を得ることができ、多少の霧や塵、雲は透過します。またパイロットは、「ナイトビジョンゴーグル(NVG)」を着用することも可能。FLIRとNVG、どちらも赤外線を利用したシステムですが、FLIRは主に捜索に、NVGは主に操縦に適します。

「ブラックホーク」は、ミサイル妨害用のチャフ・フレアディスペンサーも搭載します。救難とは無関係のように思えるかもしれませんが、戦時において洋上遠方での作戦中に脱出した戦闘機パイロットを救助する際、攻撃を受ける可能性を想定したものです。

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コメント

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7件のコメント

  1. 戦闘機は?ですがこの様な素晴らしいヘリは高くても無条件で導入すべきです、
    日本人の命はお金に換算出来ません。

  2. 自衛隊のうんぬんを議論するよりもこの度の地震にいち早く対応ブラックホークの活躍を被災者は頼もしく見えたと思います上げ足を取る事よりも現実を受け入れてエールを送って下さい自衛隊の皆さん頑張って下さい

  3. 表現がおかしいかもしれませんが『頼もしい』ヘリですね。
    このような装備なら防衛予算ももっとUPしてほしいですね。
    他のしょうもない(?)予算がたくさんありますので、その分を回せば多数のブラックホークが整備できると思います。
    救助される被害者は勿論、災害救助に尽力される自衛隊の皆さんの命も守れるとお思います。

  4. 防災ヘリ等の安易な要請への抑止・クルーの危険性に配慮すれば
    遅かったが、多少は改善方向に向かえばと思う。

  5. ブラックホークは良い機体ですが、V107でも日航ジャンボ墜落の救助に当たれたと思います。V107で救助に出られなかったのは、他に理由が合ったからです。
    きちんと調べてから記事は書いてください。RQパイならばみんな解ります!!

  6. 航空機だし、自衛隊の装備なので高額なことはわかる。高額でも必要な物は購入配備すればよいと思う。でも機体およびエンジンで30億円って高くないかなー。30億あればどれほどの建物が建つか。開発費はライセンスなのでかからないが、ライセンス料が高いのか、製造コストが言いなりなのか?。増産すれば安くなると思うので、国産にこだわらずライセンス生産せずにアメリカからの購入ではだめなのか。もちろん自衛隊の装備なので救難は必要だけど、戦闘できる装備は絶対すべての装備に必要だと思う。