次期爆撃機LRS-B開発、米軍の目的は 弱点を持つB-2A

アメリカ空軍は2015年10月、次世代の戦略爆撃機「LRS-B」の開発について、ノースロップ・グラマン社と契約を結びました。アメリカ空軍がいま、新たな戦略爆撃機を開発すること。そこにはどのような理由と意味があるのでしょうか。

戦闘爆撃機とは比較にならない能力を持つ戦略爆撃機

 実のところB-1Bは、1993年の米露間第二次戦略核兵器削減条約に従い、はやくから全機が核兵器搭載能力を削除されてしまっています。またB-52Hについても、2011年の第四次戦略兵器削減条約の調印によって核兵器搭載能力を削除する改修が行われており、2017年には完了する予定です。

 この第四次戦略兵器削減条約では、核弾頭の運搬手段がICBM(大陸間弾道ミサイル)、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)、戦略爆撃機の合計で700機(基)に制限されています。

 B-52Hは親・子・孫の3世代に渡り代々B-52乗りという家系が存在するほどの旧式機であり、飛行性能においては旅客機と大差なく、たやすく迎撃されてしまいます。そのため、核弾頭運搬手段としてはもはや有効であるとは言い難く、ICBM・SLBMに比べて優先度が低い存在です。

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初飛行から63年も経過しているB-52H「ストラトフォートレス」(写真出典:アメリカ空軍)。

 よって早晩にも、防空網を突破する侵攻能力に優れた、いわゆる「ステルス爆撃機」であるB-2Aのみがアメリカ空軍の唯一の核兵器搭載戦略爆撃機となる見込みです。

 現在、B-52HやB-1Bは(B-2Aも含め)、もっぱら通常弾頭の爆弾による「戦術爆撃」に投入されています。空中給油によって地球を1周する作戦も可能とするほぼ無限の航続距離と、大量の爆弾を搭載可能な能力を活かし、戦場上空に長時間滞空。デジタルネットワークを通じて爆撃要請があり次第、即座に誘導爆弾を投下し正確に破壊する能力は、F-16やF-15Eなどの戦闘爆撃機とは比較にならないほど優れています。そしてこうした作戦は、対テロ組織など爆撃機を迎撃する能力を持たない目標に対して極めて有効です。

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