年末にも発生 ギリシャとトルコ、繰り返すドッグファイト
戦闘機同士の格闘戦「ドッグファイト」。射程の長いミサイルを使った戦いが普通になった現在でもしばしば発生しており、世界にはその“多発地帯”があります。その状況、日本にとっても他人事ではないかもしれません。
ドッグファイトの映像を公開する状況
地中海北東部に位置するエーゲ海。ギリシャとトルコに囲まれ、黒海への出入口ともなるこの海域は、世界でも有数の戦闘機対戦闘機による格闘戦「ドッグファイト」多発地帯として知られていることをご存知でしょうか。エーゲ海のいくつかの島々や岩礁では、ギリシャとトルコのあいだで領有権の係争が存在しており、海・空において衝突がたびたび繰り返されています。
ギリシャメディアの報道によると、つい先日の2015年12月29日にも、トルコ空軍のCN-235ターボプロップ輸送機2機と戦闘機6機が9度にわたりギリシャの空域を侵し、両国の戦闘機によってドッグファイトが生じています。
2015年11月24日、シリア上空で対イスラム国への爆撃作戦中であったロシア空軍スホーイSu-24戦闘爆撃機がトルコ領空を侵犯。トルコ空軍のF-16戦闘機に撃墜される事件も発生し、トルコの動静に世界中の注目が集まっているなかでしたが、今回はギリシャ・トルコ両者ともに戦闘機に実弾を搭載していたものの、幸いにも撃墜に至ることはありませんでした。
このギリシャとトルコによるドッグファイト、多くの場合は相手をレーダーで追尾、いわゆる「ロックオン」の状態に持ち込み、脅しをかけることで終了する場合がほとんどのようです。
相手側の戦闘機の背後をとり、照準する様子の写真やビデオも公開されています。動画はギリシャ・トルコどちら側の映像もYoutubeに多くアップロードされており、戦闘機もののシューティングゲームをプレイしたことのある人ならば、それがどういう状況なのか、恐らく理解できるはずです。
また、非常に興味深いことにトルコ・ギリシャ両国とも、その主力戦闘機はアメリカから輸入したロッキード・マーティンF-16「ファイティング・ファルコン」。そのため、F-16 vs F-16の「同機種対決」が行われることが少なくありません。
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