首都圏高速、新料金の注意点 迂回優遇に矛盾? 逆に高くなることも

迂闊に迂回すると高くなる場合も 解消すべき矛盾

 例えば、八潮南(首都高6号三郷線)から新郷(首都高S1川口線)へ向かう場合、首都高C2中央環状線経由だと780円(19.4km、現行720円)ですが、外環道へ迂回すると1140円(21.5km、現行1330円)と360円高くなります。

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八潮南から新郷へ向かう場合、都心を避け外環へ迂回すると料金が高くなってしまう(画像出典:首都高速道路)。

 距離はほとんど同じですし、迂回優遇の原則から考えても、同料金にすべきではないでしょうか。

 このように、外環の内側に起終点の両方がある場合、外環の迂回利用をまったく優遇しないのは「画竜点睛を欠く」と言わざるを得ません。

 2年後の2017年度には外環道千葉区間が開通し、外環の利用価値は大幅に上がります。その際は、この矛盾点をぜひ解消すべきです。

 ちなみに、高速道路料金を決めるのは実質的に国交省で、民営化された高速道路会社に権限はありません。

【了】

Writer: 清水草一(首都高研究家)

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で、首都高研究家/交通ジャーナリストとして活動中。

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コメント

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4件のコメント

  1. 外環の扱いはワケわからん。そもそも均一料金という時点で変だったと思う。

    いっそのこと、外環は首都高に組み込んでもらった方が、利用者からはスッキリする。(譲渡でも運営の完全委託でも良いから)

    特に首都高-関越道間を利用する際に、強くその様に思う。

  2. 千葉西部からみると京葉道路が値上がるだけでメリットほとんどないんだよな

  3. 「現行の首都高の長距離料金が安すぎる」というご意見に大いに疑問を感じます。首都高とその他の高速を距離単価だけで比較するのが適切なのでしょうか?
    首都高には圧倒的な交通量があります。地方の交通量が少ない高速道路の距離単価が首都高と同じだったら、それこそ安過ぎと思います。交通量に反比例して距離単価が安くなってこそ公平と考えます。

    • 地方の高速で物凄い割高になるって事だよね。てことは地方には高速要らない、地方には用事をなるべく作らない。行けば物凄い負担を強いられるからって事態に陥って広域ネットワーク形成どこじゃなくなるから違うと思うよ。道路は国家全域で一枚岩に健全収支になるように考えるべきである。