自衛隊にしかない! 究極のDIY装備「92式浮橋」とは「え、ブリッジじゃない使い方するの!?」

民間のインフラや技術に依存せずに一定期間活動する能力、いわゆる「自己完結性」を保持する自衛隊には、短時間で橋を架けることが可能な装備があります。そのひとつ、「浮橋」の訓練を取材しました。

橋だけでなくイカダとしても使えます

 92式浮橋は「橋間橋節」と呼ばれる橋の本体部分と、橋の先端部である「橋端橋節」、そして浮橋をコントロールする「動力ボート」、ぬかるんだ地面でもスタックすることなく車両が走行できるようにする「道路マット敷設装置」などで構成されています。

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遠岸側を接岸させ、流されないように動力ボートで支える第4施設団第102施設器材隊(武若雅哉撮影)。

 前述したように浮橋は水面に浮かぶため、橋節をつなげて河川の両岸に固定してしまえば、応急的な橋梁として使用できるほか、2つから3つの橋節を連結し動力ボートで動くようにすることで、イカダとしても使用できます。

 なお、陸自ではこのイカダを総称して「門橋」と呼んでおり、92式浮橋で構成する門橋は大型の90式戦車も搭載できることから「重門橋」と呼んでいます。

 92式浮橋は1セットあたり車両23台で編成されるのですが、橋節部分でいえば14両分になり、1セット全ての橋節を連結した場合は約104mの橋を掛けることができます。

 その一方で、全国に配備されている92式浮橋を持ってくれば、延々と橋長を伸ばすことも可能です。また、他の架橋装備と組み合わせれば、無限に橋の長さを伸ばすこともできます。

 ちなみに、81式自走架柱橋など他の架橋と組み合わせた場合は「混合橋」と呼ばれます。

【自動でパカッ!】これが92式浮橋の架設の様子です(写真)

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