「翼シュッポーン!」世界初の装備マシマシ超音速機、なぜ誕生? ハイスペで「イマイチ」評覆す

世界初の実用可変翼機であることを始めとする新装備などで、航空史を塗り替えた戦闘爆撃機「F-111」。その歴史は、どのようなものだったのでしょうか。

「イマイチじゃね?」評価からの大逆転機だったF-111

そのようなF-111ですが、就役間もないころは、機体の評価が高くはありませんでした。

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電子戦機仕様のEF-111(細谷泰正撮影)。

前述したテスト飛行中のエンジンの問題や、構造の強度不足や油圧系統の誤動作などの問題が判明し、これらの解決に手間取ったことに加え、型式名に戦闘機を示す”F”を冠しながら空戦能力がないことが理由です。

しかし、これらの問題を解決した後は、長い航続距離と優れた超低空高速飛行能力に加え、大きな搭載能力をいかんなく発揮するようになり、その実力が実戦で証明されるようになります。

F-111はベトナムではF-4戦闘機の4倍の爆弾を積んで、空中給油機の支援なしで北爆に投入され、4000回を超える出撃で作戦中の損失はわずか6機という記録を残しました。1986年のリビア爆撃の際にはイギリスに駐留していたアメリカ空軍のF-111Fが主力攻撃機として使用されました。この時は空中給油機の支援を受けながら往復1万kmを超える長距離作戦が実施されています。

また、湾岸戦争では、「砂漠の嵐」作戦に参加したF-111が米軍機の中では最も高いミッション成功率を達成しました。また同戦争中に投下されたレーザー誘導爆弾の実に80%がF-111により投下されたと発表されています。

湾岸戦争終結後のF-111は、可変翼特有の高い維持費が手伝ってアメリカ空軍からの退役が進められました。戦略空軍においてもB-1爆撃機の充足にともないFB-111は戦略爆撃機の任を解かれ戦術機と仕様が変更になり、その一部はオーストラリア空軍に売却されました。

なお、米軍においては最後まで使われた電子戦機EF-111が1998年に退役。冒頭のオーストラリア空軍では2010年まで使用され、現在では後任としてF/A-18F「スーパーホーネット」が引き継いでいます。

【写真】すげえ! これが「F-111翼シュッポーン!」モードへの変遷です

Writer:

航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事

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