韓国機炎上事故、ボーイングへの影響は? 苦境の「旅客機メーカーの王」信頼復活のカギ

ボーイングは相次ぐ品質問題などで苦境に立たされるなか、さらにチェジュ航空の事故が襲いました。同社はこの状況を乗り越え、かつての勢いを取り戻すことはできるのでしょうか。

「737MAX」問題から苦境続く

 相次ぐ事故や品質問題などにより旅客機メーカーとして苦境に立たされているアメリカの航空機メーカー、ボーイング。そこに追い打ちをかける可能性がある事象が、また発生してしまいました。2024年12月に発生した韓国・チェジュ航空の着陸失敗事故です。この状況を乗り越え、ボーイングは、かつての勢いを取り戻すことはできるのでしょうか。

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チェジュ航空のボーイング737(伊藤真悟撮影)。

 ボーイングは、かつて旅客機メーカーとして絶対的な存在、かつ米国でも唯一の大型旅客機メーカーとして君臨し続けてきました。

 ここに暗雲が立ち込めたのが、同社の最新単通路旅客機「737MAX」で発生した相次ぐ問題です。

 このモデルは、2018年と2019年に起きたインドネシアのライオンエアとエチオピア航空で連続的に墜落事故が発生し、その対策こそ講じられたものの、2024年1月、アラスカ航空の737MAX9でドアプラグが吹き飛ぶ事故が発生しました。これにより、同社の航空旅客や経済市場の信頼や地位は揺らぐことになったわけです。

 アラスカ航空の事故後の同社は、世界的な航空ショーへの737MAX、ならびに開発中の大型複通路旅客機「777X」の実機展示を“自粛”。2024年2月のシンガポールと7月の英国ファンボロー両航空ショーでは、最大のライバル旅客機メーカーであるエアバス社製の旅客機露出が目立つことに。これらはボーイングの苦境を、対外的に物語るものとなりました。

 さらに777Xの航空会社への納入も2026年へ繰り延べされたほか、2024年9月には従業員のストライキも発生。これらの影響で、ボーイングの2024年の株価は年始に比べて約30%年下落し、新型コロナ(COVID-19)の世界的流行で、2020年に大きく落ち込んで以来、本格的な回復を見せていません。

 そのようななかでさらに、今回のチェジュ航空の事故が襲ってしまったわけです。ただし、チェジュ航空機は「737MAX」の前世代タイプとなる「737-800」。こちらは世界的なヒット機であり、安定したフライトを長年続けている旅客機です。

 とはいえ、ボーイングは現状では、新型旅客機開発にも消極的といってよい状況です。この背景には、長年培った技術力を発揮する旅客機づくりより、経済効率重視に偏った企業への変化があるというのが、世界的に報じられている現状です。

 しかし、もしこの状況が続けば、防衛・宇宙機器メーカーとして成長しても、旅客機メーカーとしてはエアバスの後塵を拝し続けるのは確実でしょう。ボーイングが旅客機市場で勢いを取り戻すことはあるのでしょうか。

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