今までのミサイルと全然違う!? 北朝鮮の新型「極超音速滑空兵器」が超厄介なワケ 日本も“切り札”の開発進めてます!

2025年最初のミサイルとして、北朝鮮が極超音速兵器なるものを発射しました。果たしてこの「極超音速兵器」とはなんなのでしょう。現状、迎撃困難といわれる理由や対抗策もあわせ解説します。

極超音速滑空兵器が厄介なワケ

 じつは、北朝鮮が開発を進めるこの極超音速滑空兵器は、これまで弾道ミサイル防衛(BMD)能力の整備に努めてきた日本にとって、非常に厄介な相手となります。

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海上自衛隊の護衛艦「こんごう」から発射されるSM-3ミサイル(画像:アメリカ海軍)。

 これまでの弾道ミサイルの場合、一度発射されてミサイルから弾頭が分離されると、弾頭は目標に向かって単純な楕円軌道を描いて飛翔していきます。弾頭が切り離されても、しっかりとレーダーなどで追尾さえできていれば、それ以降は「いつどこを通るか」という弾道の予測ができるわけです。従って、迎撃ミサイルをその地点へ誘導すれば、見事命中するということになります。

 ところが極超音速滑空兵器は、先述したように滑空しながら目標へと飛翔していくのですが、この時上下だけではなく左右にも弾頭を機動させることができます。大きくカーブを描いて飛んでいくこともでき、弾道ミサイルと比べて軌道が計算し難くなるのです。

 さらに弾道ミサイルと比べると、極超音速滑空兵器は大気圏内の低い高度を飛翔します。すると、地上配備型の早期警戒レーダーでは、飛翔中の弾頭が地平線の下に隠れてしまい、相当近づくまでこれを探知できないのです。

 現在BMD任務に就いているイージス艦には迎撃ミサイルとして「SM-3」が搭載されています。しかし、このSM-3には最低射高、つまりそれ以上低い高度を飛んでいる目標は迎撃できないラインがあり、それが約70kmとされています。一方、極超音速兵器はこれより低いか、少なくとも相当ギリギリの高度を飛翔するため、SM-3では対応が困難なのです。

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