中国海軍「異形の新型軍艦」は何者?強襲揚陸艦…のはずなのに“空母っぽい”装備? 考えられる理由とは
2024年12月27日、上海の造船所で建造が進められてきた中国海軍の新型強襲揚陸艦「四川」が、進水式を迎えました。しかし、同艦には通常、空母に搭載されている装置の搭載が確認されています。これは何を意味するのでしょうか。
ナゼ「空母っぽい」装備が? 考えられる可能性とは
「四川」が強襲揚陸艦であるにもかかわらず、電磁カタパルトとアレスティングワイヤーフックを備えた艦となったのには、理由の可能性は二つの可能性が考えられます。
一つは、「無人機空母」として運用される可能性です。
アメリカの大手無人機メーカーであるジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・(GA-ASI)は2023年11月に、カタパルトとアレスティングフックを装備していないイギリス海軍の空母「クイーンエリザベスクイーン・エリザベス」を使用して、技術実証用固定翼UAS(無人システムズ航空機システム)「モハベ」の発着艦試験に成功しています。トルコのバイカル・テクノロジーも2024年11月に、やはりカタパルトとアレスティングワイヤーフックを持たないトルコ海軍の強襲揚陸艦「アナドル」を使用して固定翼UAS「バイラクタルTB3」の発着艦試験に成功しています。
このように、固定翼無人機の発着艦は必ずしもカタパルトとアレスティングワイヤーフック無しでも可能なのです。が、しかし、甲板上をエンジン全開で滑走して発艦する場合は、そのぶん燃料消費量が多くなり、また兵装搭載量も少なくなります。
これは、有人航空機を運用する空母にも共通していることなのですが、同じ航空機でもカタパルトを使って発艦し、アレスティングワイヤーフックを使用して着艦する空母の方が、そうでない空母より燃料消費量が少なくて済み、兵装搭載量も多くなりますし、より高性能な航空機の運用も可能になります。
中国の環球時報は「(四川は)空母と同様に無人戦闘機の発艦が可能になっている」と報じています。従って、より高性能なUAS、つまりジェットエンジンを動力とするUASを運用する「無人機空母」の実証試験を行うプラットフォーム、いわゆるテストベッドとして使用される可能性が考えられます。
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