「なんでこんなに窓が曇ってるの?」 悩む鉄道事業者 新品に取り替えても消えないモヤモヤ

アメリカや日本のJRの一部でも、やたら“窓が曇った”車両を見かけることがあります。新品への置き換えを進めても、また曇ってくる可能性がぬぐえない理由がありました。

日本の鉄道会社も同じ悩み

 実は日本でも同じ課題を抱えている鉄道会社があります。それは寒冷地を走り、二重窓の外側にポリカーボネート製の窓を取り付けているJR北海道です。

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NJトランジットの2階建て客車の窓を取り換える作業員(NJトランジットのXへの投稿から)。

 同社は、冬になると車両に付着した雪や氷の塊が地面に落下することで「線路の石を跳ね上げて、車両の窓ガラスに衝撃することがあります」と説明。そこで窓の破損や、破損による利用者のけがを防ぐため、衝撃に強いポリカーボネート製の窓を外側にはめています。

 ただ、JR北海道も「普通のガラスに比べて素材が柔らかいため細かな傷が付きやすく、車両基地の洗浄水に含まれる不純物が傷に入り込むことによって汚れが付着しやすくなります」と認めます。薬剤で汚れを除去する作業を繰り返すと窓が白く曇った状態になってしまうため、その場合には新品と交換するそうです。

 窓の透明性を確実にするためのクリアな解決方法がない――。そんな鉄道事業者のモヤモヤした悩みが伝わってきます。

【言われてみれば…】「曇った窓」の風景(写真)

Writer:

1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。

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