「なんでこんなに窓が曇ってるの?」 悩む鉄道事業者 新品に取り替えても消えないモヤモヤ
アメリカや日本のJRの一部でも、やたら“窓が曇った”車両を見かけることがあります。新品への置き換えを進めても、また曇ってくる可能性がぬぐえない理由がありました。
車窓風景がぼやけてみえるアメリカの鉄道
アメリカ東部のニュージャージー(NJ)州の公社で、公共交通機関を運行している「NJトランジット」は2024年12月、同州とニューヨーク中心部マンハッタンのペンシルベニア駅を結ぶ列車などに使う2階建て客車の窓を、新品に順次取り換えると発表しました。2006年に登場した客車のポリカーボネート製の窓が曇って車窓を楽しめなくなったため、手始めに新品の窓400枚を注文して交換を始めました。
NJトランジットは短文投稿サイト「X」(旧ツイッター)で「2階建て客車に新しい窓の装着を始めることを発表できてうれしく思います。曇った視界に別れを告げ、乗るたびに透き通った視界を楽しみましょう!」と書き込み、作業員が新品の窓を取り付ける画像を紹介しました。
窓が曇った原因として同社は紫外線(UV)による変色や、洗車時に付いた傷などを挙げています。交換する新品は品質改良で「視界の透明性が高く、UV耐性が優れており、ひっかき傷や汚損、化学薬品への耐久性が強く、事実上壊れない」と豪語し、2階建て客車の窓を全て置き換える方針です。
筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)もアメリカ駐在中にNJトランジットに乗車した際、せっかく窓際の座席に腰かけても車窓がほとんど見えないことに肩を落としていました。窓の表面に細かい傷が付いていたり、色が変わったりしているため、窓外の風景がぼやけて見えるのです。
窓を新品に取り換え、乗客が車窓を楽しめるようにすれば大きなサービス向上になるでしょう。ただ、交換する窓もポリカーボネート製なのは気がかりです。いくら品質が改良されていても「経年劣化で徐々に視界が悪くなるのではないか」と危惧しています。
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