陸軍に「潜水艦」配備なぜ!? 旧日本軍が欲した切実な理由 極秘にし過ぎて「トホホな顛末」も
予算などで常に対立関係にあったといわれる旧日本軍の陸海軍。その代表例のひとつと見なされているのが、陸軍が潜水艦を保有したというもの。ただえは、その誕生の理由はかなり切実でした。
陸軍にとっては海上輸送の安全性は切実
旧日本軍の陸軍と海軍は仲が悪かったことで有名です。よく「仲が悪すぎて独自の空母や潜水艦まで作った」との逸話がありますが、このうち潜水艦は「まるゆ」と呼ばれ、角川ゲームスが制作した某ブラウザゲームなどで知名度が高まりました。ただ、潜水艦とは呼ばれてはいるものの、同艦の建造の理由は“メンツ”という意地の張り合いではなく、かなり切実なものでした。
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陸軍と海軍は、長らくライバル関係で基本的な戦略すら一致していなかったため、平時ですら予算や人事、内閣でのパワーバランスなどで張り合っていましたが、困ったことになったのが太平洋戦争時です。
同戦争は太平洋の島々を戦場に行われたため、史上かつてないほど海路での補給確保が重要になりました。なお、経緯は諸説ありますが、1874年の台湾出兵の時代から日本では海上の物資や兵員の輸送はなぜか陸軍の担当でした。
開戦当初こそ、海軍は陸軍の輸送にも快く護衛の艦艇を派遣してくれました。しかし、戦況が徐々に悪化するとそうはいかなくなり、護衛なしの輸送船団は甚大な被害を受けることになります。
次第に戦争の主導権をアメリカに奪われ、増える一方の輸送船の損害に陸軍は一計を案じます。なんと、アメリカ軍の軍用機や潜水艦などに発見されないよう、潜水艦を輸送船代わりに使おうと考えたのです。こうして生まれたのが、三式潜航輸送艇、通称「まるゆ」でした。ちなみに、「ゆ」は輸送艇を表わしています。
板倉光馬という有名な潜水艦長の手記に人から聞いた話としてこんなことが書かれてあります。
陸軍からどうにも極秘で作っている潜水艦がものにならないので助けて欲しいと海軍に教えをこう場面があり、それで海軍側は「あなたたちには無理だから」と全面的に協力すると約束したがすでに鋼板が陸軍設計の寸法に切られてしまっており、潜行などのコントロール方法などはうまく伝えられなかった。。
こんな話です。