いつかは「空母ドナルド・トランプ」誕生? 空母の名前になった大統領「え、この人も!?」「じゃあこの人も…?」

アメリカ大統領府は、ジェラルド・R・フォード級原子力空母の5番艦と6番艦について、クリントン元大統領とブッシュJr元大統領の名前を艦名とすると発表しました。これまではどの大統領の名前が艦名に用いられてきたのでしょうか。

可能性あるか!? 空母「ドナルド・トランプ」

 既に故人となった大統領経験者は全員、アメリカ連邦軍の軍籍を持っていましたが、存命の大統領経験者はトランプ大統領を含めて、誰もアメリカ連邦軍の軍籍を持っていません。

 また、このほど原子力空母に名前が付けられることが決まった2人の大統領経験者と、1月20日で退任したジョー・バイデン前大統領はベトナム戦争に従軍していても不思議のない年代なのですが、3人とも従軍していません。ジョージ・W・ブッシュ氏はベトナム戦争中、テキサス州空軍で戦闘機パイロットを務めていましたが、アメリカ国内にいました。またバイデン前大統領は持病の喘息で徴兵を猶予されています。

 そしてクリントン氏にはかねて、ベトナム戦争中のイギリスへの留学が「徴兵逃れ」なのではないという批判があります。このような批判がなされている人物の名前が、軍艦に付けられることは無いのではないかと考えられていました。

 2人の大統領経験者の名前を原子力空母に付ける事を承認したジョー・バイデン前大統領は「2人は最高司令官であることの責任の重さを身をもって知り、兵士の無事を心配しながら待つ家族を支える重要性も理解している」と述べています。

 バイデン前大統領のこの言葉をもって原子力空母の命名基準とするのであれば、軍籍を持たずに法律家から政治家になったバラク・オバマ氏とバイデン前大統領も「資格あり」と言えるでしょう。

 さて、気になるのは現職のトランプ大統領ですが、ニューヨーク地方裁判所から過去の事業記録改ざんなど34件で有罪評決を受けています。前に述べたニクソン氏の例もあるように、本来「不名誉」な人物の名前は軍艦には付けられないものなのですが、今後4年間の任期をまっとうし、アメリカ軍最高司令官として大きな功績を残せば、遠い将来原子力空母「ドナルド・ジョン・トランプ」が誕生する日が来る…のかもしれません。

【いくつ知ってる?】“大統領名”がついた歴代原子力空母(写真で見る)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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