「JALパイロット飲酒問題」対策どうする? ”組織の力”でなんとかなる? 「安全に目的地まで送ればいいでしょ」の先は

JALが国土交通省へ「航空輸送の安全確保に関する業務改善勧告」に対する再発防止策を国土交通省提出しました。これは2024年機長・副機長が乗務前日に過度な飲酒を行い、同便が遅延したことを踏まえたもの。同社はどのような対策を講じるのでしょうか。

「部下の管理頑張れよ!」JALの組織では難しく

 そして5番目の項目である「運航本部の組織課題に対する対応」は、JALのパイロットが所属する組織体制にも触れられています。

 パイロットが所属する運航本部の組織ミッションは、「1便1便安全に運航する」以外のミッションが明確になっていないというのが、JAL幹部の弁。さらに同社のパイロットの組織体制では、「グループ長(首席)」を務める1人の機長が、人事管理機能もないなか、機長資格を保有しているパイロットもいる約50人を管理する体制と、上司・部下間の対面の機会が限定的となっている点にも触れられています。

 もちろんこういったグループ長を務めるスタッフは、エリート揃いの「JALの機長」のなかでも、さらに”指折りの実力”を持つ方であるのは間違いないはずです。

 しかし同社は「現状の人事制度においては、機長になれば即管理職となり、その中から組織管理職が選ばれるが、組織管理職へ選任された際に、組織マネジメントに必要となる知識等を学ぶための特別な教育やプログラムは存在していない」ともしています。

 すなわち、パイロット部門の組織管理職の方々は、会社としての指針も示されない状況下で、他社含めたパイロットとして世界的な最重要責務である「飛行機を安全に飛ばし、乗客を無事に送り届ける」という目的だけにフォーカスせざるをえなかった――というわけです。

「運航本部においては、1 便 1 便を安全かつ円滑に運航すること以外に、組織目標やミッションが明確になっていない。それゆえ、乗員一人ひとりも、1 便 1 便の運航に直接関わる技量を磨くことだけに意識が向きがちになり、このことも会社や組織への帰属意識や継続的に人財を育成する意識の希薄化を招き、組織管理職が十分にガバナンスを発揮しきれないことの一因となっていると考えられる」

 こうした対策としてJALは「グループ長中心とする組織単位とし、現在室長の直下に多数配置している機長もグループに分けその傘下に収めることで管理スパンの適正化を図る」「グループ長のマネジメント力の強化に特化した教育プログラムの導入」「乗員部と乗員訓練部を束ねる部署を新たに設置し、組織長とともにリスクマネジメントおよび人事管理機能を統括する地上職の管理職を配置し、マネジメント強化を図る」としています。

【写真】これが「60年前のJALファーストクラスです」

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