日英伊の次期戦闘機「“8か国”共同開発」の可能性も!? 「統合しようよ」「仲間に入れて」 足並み揃わぬ欧州
日英伊の3国共同で進む次期戦闘機の開発プロジェクト「GCAP」に対し、仏独西の3国は「FCAS」を進めています。両者は「統合すべき」という意見が根強くあるほか、それぞれに参加したい“第4国”も存在。各国の足並みは揃うのでしょうか。
日英伊「GCAP」と仏独西「FCAS」統合されるべきなのか?
日本、イギリス、イタリアの3か国による新戦闘機開発プログラム「GCAP」と、フランス・ドイツ・スペインの3か国による新戦闘機開発プログラム「FCAS」(Future Combat Air System)が、2~3年以内に何らかの形で統合される可能性がある――2025年1月15日付のロイターが、エアバスのギヨム・フォーリCEO(最高経営責任者)の言葉として報じました。
![Large 20250209 01](https://trafficnews.jp/wp-content/uploads/2025/02/250204_gcap_01.jpg)
GCAPは航空自衛隊が運用しているF-2戦闘機と、イギリス、イタリアの両空軍が運用しているユーロファイター戦闘機の後継機を共同開発するプログラム。「FCAS」はフランス航空宇宙軍が運用しているダッソー「ラファール」戦闘機と、ドイツ空軍とスペイン航空宇宙軍が運用しているユーロファイターの後継機を共同開発するプログラムです。
GCAPは日本がF-2の退役を開始する2035年に新戦闘機の就役を望んでいることもあって、2024年12月にプログラムを管理する国際機関GIGO(ジャイゴ:グローバル戦闘航空プログラム政府間機関)を創設。今後は新戦闘機の設計、開発、納入などを行う3か国の合弁企業を設立してGIGOと契約し、本格的な開発に着手していくことになります。
一方のFCASは2040年ごろの就役を目指して計画を進めていますが、フランスとドイツの主導権争いから2022年には長期に渡り開発が中断しています。
この問題は2022年末に参加国の役割分担を定めた協定の締結で一旦解決を見ましたが、今後正式に計画に加わる見込みのベルギーに対して、フランスのダッソー・アビエーションのエリック・トラピエCEOが「なぜ今更、ベルギーに仕事を与えるのか理解できない」と述べて難色を示すなど、GCAPに比べれば順調に進んでいるとは言い難く、一時期は共同開発計画の消滅さえ噂されていました。
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