日英伊の次期戦闘機「“8か国”共同開発」の可能性も!? 「統合しようよ」「仲間に入れて」 足並み揃わぬ欧州
日英伊の3国共同で進む次期戦闘機の開発プロジェクト「GCAP」に対し、仏独西の3国は「FCAS」を進めています。両者は「統合すべき」という意見が根強くあるほか、それぞれに参加したい“第4国”も存在。各国の足並みは揃うのでしょうか。
狙いは有人戦闘機というより“お供”?
エアバスのフォーリCEOがGCAPとFCASの統合を主張したのはこれが初めてではなく、2024年3月にもイギリスの新聞「ガーディアン」のインタビューに答える形で、FCASとGCAPは統合すべきだと主張しています。
![Large 20250209 01](https://trafficnews.jp/wp-content/uploads/2025/02/250204_gcap_02.jpg)
フォーリCEOはその理由として、「安全保障環境が悪化しているのに我々(ヨーロッパ諸国)が協力しないのは愚かなことだ。これ(GCAPとFCASの統合)はヨーロッパが安全保障分野のプレーヤーであるか否かを決める決定的な瞬間だ」と述べています。
実のところヨーロッパには、2つの新戦闘機開発計画がヨーロッパ内にあるのは無駄だという声が根強く存在しており、イギリスがイタリア、スウェーデンと協力して有人戦闘機「テンペスト」の開発を進めようとしていた時期から、ヨーロッパの政府・企業の要人や軍首脳などからテンペストとFCASの統合を望む声が多く上がっていました。
ただ、イギリスが日本、イタリアと共同でGCAP計画を進める方針に転換してからは、完全な統合を求める声はあまり聞かれなくなりました。
GCAPとFCASは、共に有人戦闘機とUAS(無人航空機システム)を組み合わせた戦闘航空システムですが、GCAPには今のところ有人戦闘機と行動を共にするUASを共同開発する予定はありません。フォーリCEOが2025年に「何らかの形で統合される」と述べているのは、ヨーロッパ諸国が導入するGCAPとFCASのUASを共同で開発したいという意味なのかもしれません。
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