日英伊の次期戦闘機「“8か国”共同開発」の可能性も!? 「統合しようよ」「仲間に入れて」 足並み揃わぬ欧州
日英伊の3国共同で進む次期戦闘機の開発プロジェクト「GCAP」に対し、仏独西の3国は「FCAS」を進めています。両者は「統合すべき」という意見が根強くあるほか、それぞれに参加したい“第4国”も存在。各国の足並みは揃うのでしょうか。
GCAPに入りたい“第4の国”を「歓迎」
イタリアのジョルジャ・メローニ首相は2025年1月27日、訪問先のサウジアラビアで、同国がGCAPに参加することを希望した場合、それを支持すると明言しました。GCAP計画に参画している国の首相がサウジアラビアの参加の支持を表明したのは、メローニ首相が初めてです。
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GCAPへのサウジアラビアの参加は、同国がイスラム教シーア派勢力に武力支援をしていることなどから、日本は難色を示しています。またイギリス議会軍事委員会も、配備計画や生産分担で混乱が生じる可能性があることから、パートナー国の追加は慎重に行うべきと報告していますが、メローニ首相の支持表明で、サウジアラビア参加の流れが加速していく可能性もあります。
前にも述べた通り、イタリアはテンペスト計画に参加していましたが、その参加の署名を行った際にも、イタリア国防省は「ヨーロッパ間で無駄な競争を避け、世界市場で高い競争力を備えた次世代戦闘機を開発するには、FCASとテンペストは統合される方が望ましい」という趣旨のプレスリリースを配布していました。
これはあくまでもテンペスト計画に対するイタリアの考え方ですが、イタリアがサウジアラビアの参加を支持するのと同様、ヨーロッパが安全保障分野のプレーヤーでありたいという政治判断を下すのであれば、GCAPとFCASで、UASの共同開発以上の統合がなされる可能性もあります。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
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