「日本最長のローカル線」から“まもなく消える旅情”とは? 新・青春18きっぷで京都→鳥取 乗ってみた

日本一長い在来鉄道路線となっている山陰本線。風光明媚な車窓や国鉄形車両など、旅情を存分に味わうことができる路線に「青春18きっぷ」で乗車してみました。ただ、まもなく何かが、確実に変わります。

115系やキハ47形も健在

 ラストランナーは、城崎温泉発鳥取行きの普通列車です。新大阪からやってきた特急「こうのとり」3号からの乗り換え客を受け入れ、11時56分に城崎温泉を発車しました。

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海沿いを走る山陰本線(乗りものニュース編集部撮影)

 ここからは非電化区間です。車両は朱色(首都圏色)のキハ47形気動車で、鉄道ファンからは「タラコ」と呼ばれて親しまれています。

 ローカル線らしさはぐんと増し、「北前船」の寄港地として栄えた竹野を過ぎると、日本海が見えてきます。カニで有名な香住駅には、駅構内に大きなカニのモニュメントが飾られており、車内からも見ることができました。

 鎧駅に着いたらカメラの準備をしておきたいところ。鎧~餘部間で、沿線最大のハイライトである餘部橋梁を通過するためです。列車は全長310m、高さ41.5mにおよぶ餘部橋梁をゆっくりと通過し、日本海を一望することができました。

 現在の餘部橋梁は、2010年に架け替えられた2代目にあたり、初代の旧橋梁は珍しい鉄製の「トレッスル橋」でした。通常の桁橋は橋桁をコンクリート橋脚などで支えますが、トレッスル橋は橋脚が「A」型の断面のトラス構造となっています。各部材が華奢で優美な印象となり、風景に比較的溶け込みやすく、旧橋梁は「餘部鉄橋」と呼ばれて長らく親しまれました。

 ただ海沿いの高い位置にあることから、強風の影響による運休が相次ぎ、1986年には回送列車が地上へ落下する悲惨な事故が発生しています。老朽化にともない、2007(平成19)年から新たなコンクリート製の橋の建設が始まり、約3年半の工事を経て生まれ変りました。かつての鉄橋は、餘部駅のある西側の一部が橋脚とともに残され、観光スポットとなり、かつての姿を今に伝えています。餘部駅では観光客も下車していきました。

 列車は山陰本線の兵庫県最西端駅である居組駅を過ぎ、東浜駅から鳥取県に入ります。城崎温泉から約2時間ほどで高架の鳥取駅に到着しました。

「青春18きっぷ」はリニューアルで自動改札機の利用が可能となりましたが、鳥取駅には自動改札はありません。都市部では珍しくなった、駅員が切符をチェックする有人改札が残っています。しかし、その光景も3月14日までで、15日にはついに自動改札が導入されます。

 京都駅からの所要時間は6時間26分でした。「スーパーはくと」であれば約3時間で到着しますが、山陰本線には国鉄形の車両をはじめ、昔から親しまれてきた数々の“絶景”を存分に堪能できます。ただ、鳥取駅の有人改札の光景だけは、令和にアップデートされつつあります。

【画像】まもなく見納め!これが「日本最長のローカル線」から消える“旅情”です

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