ANAはなぜ「”前代未聞”のメーカーが作った旅客機」を導入? 明確にいたライバル機…でも「これで行こう!」の決め手とは
ANAグループが新型機、「エンブラエル E190-E2」を導入予定です。製造元のエンブラエルはエアバスやボーイングに次ぐメーカーではあるものの、これまでANAへ同社製の旅客機が導入されたことはありません。なぜこの機体が選ばれることになったのでしょうか。
本来は「国産ジェット旅客機」を買うはずだったのに
これが三菱重工グループの三菱航空機「三菱スペースジェット(MSJ。旧称:MRJ)」です。ANAはこの機の開発の後ろ盾となる「ローンチカスタマー」として最大25機を発注。しかし国からの多額の支援をうけながらも、「三菱スペースジェット」は開発遅延を幾度も繰り返したのち、2023年に開発中止という結果となりました。
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ANAの担当者も「(E190-E2の導入は)かなり『三菱スペースジェット』の代替にほぼ近いということはなくはないが、完全な入れ替えではなく、現時点の機材ラインナップや需要を見たうえで判断した」と話しています。同社はMSJが実用化された場合、90~100席級の座席数を持つと発表しており、最新の需要動向などを判断し、MSJより少し大型のE190-E2の導入を決定したようです。なお、E190-E2の導入機数は20機。MSJと比べて、機数を少なく発注しています。
なお、同社では2025年以降、グループでは最初の席数となる74席を配したプロペラ「DHC8-Q400」を新たに7機追加で導入する方針も決定しています。E190-E2でも需要過多となる路線は、DHC8-Q400が担当することになると見られます。
しかし、E190-E2には競合機が存在します。ANAでも使用されているエアバスが手掛けた旅客機、「A220」です。すでに多くのエアバス機を使用してきたANAグループが、なぜエンブラエルを選んだのでしょうか。
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