ANAはなぜ「”前代未聞”のメーカーが作った旅客機」を導入? 明確にいたライバル機…でも「これで行こう!」の決め手とは
ANAグループが新型機、「エンブラエル E190-E2」を導入予定です。製造元のエンブラエルはエアバスやボーイングに次ぐメーカーではあるものの、これまでANAへ同社製の旅客機が導入されたことはありません。なぜこの機体が選ばれることになったのでしょうか。
「民間機界の王」エアバスにもライバル機いるじゃん→でも新規メーカーになった経緯
E190-E2のライバルともいえるA220は当初、ボンバルディアの「Cシリーズ」として開発されたモデルで、2018年に2社の業務提携によって「エアバスA220」にモデル名を変更したというユニークな出自を持ちます。
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とはいうものの、A220は100席から120席クラスの「A220-100」が、E190-Eとかなり近しいキャパシティを持ちながら、ANAとの取引歴のあるエアバス製で、かつMSJ実用化における最大の障壁となった、その飛行機のモデルが一定の安全基準を満たしているかどうかを、国や地域ごとに当局が審査する制度「型式証明」も取得し、実用化もしています。
ANAの担当者に「A220-100ではなくE190-E2を導入するとなった決め手」について質問したところ、「どの機材とコンペしたか、というのはお答えできないですが……」と前置きのうえ、「あくまで一般論ですが」と次のような回答がありました。
「今回の(E190-E2)調達にあたっては、国内線の需要適合・収益性の向上も狙いとしてあります。座席数は近いものがありますが、より機体が軽く、少燃費のモデルを優先的に採用したということになるでしょう。2社の比較ではなく、一般論としてですが」
確かに各航空機メーカーの公式ページより2機の最大離陸重量を比較すると、E190-E2が56.4tなのに対し、A220-100が63.1tとなっています。こうした差が、ANAグループが「取引もなかった企業から新型機を買う」決め手だったのかもしれません。
なお、ANAグループでは、E190-E2の導入機数は確定発注15機、オプション5機の20機で、導入開始は2028年度からを予定しています。
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