世界最強の戦闘機「F-22」が未装備だった意外なものとは? ようやく中露の戦闘機に追いついたか
「世界最強の戦闘機」との異名を持つアメリカ空軍のF-22「ラプター」戦闘機ですが、意外な欠点がありました。ただ、それもようやく改善される目途が立ったようです。定期的なアップデートでその強さは維持される模様です。
メーカーと搭載のための正式契約を締結
F-22「ラプター」は、アメリカ空軍における21世紀の主力戦闘機であり、その卓越したステルス性と高い機動性、そして強力な兵装により、世界最強の戦闘機のひとつとして知られています。しかし、そんなF-22にも、実は大きな欠点があります。それは、「赤外線探索追尾装置(IRST)」を搭載していないことです。

ただ、それも過去のものとなるかもしれません。2025年1月23日に開発・製造元のロッキード・マーチン社が発表した内容によると、アメリカ空軍と「次世代赤外線防御センサーシステム(IRDS)」搭載のための改修契約を正式に結んだといいます。
F-22は登場以来、極めて高いステルス性と優れた空戦能力を誇ってきました。一方、同機はこれまで赤外線探索追尾装置を搭載していなかったため(ただし外部搭載の試験は実施済み)、主な索敵手段は機首に装備するレーダーと、空中早期警戒機(AWACS)から情報を受け取るデータリンクに依存していました。
しかし、近年の空中戦に関する環境の変化や、ロシアのSu-57や中国のJ-20といった第5世代戦闘機の台頭によって、絶対的な優位性に揺らぎが見えるようになったのです。これら中露の機体には、赤外線探索追尾装置が標準で搭載されています。こうした状況を踏まえると、F-22にIRDSを導入することは不可避の選択であったといえるでしょう。
赤外線探索追尾装置の導入には、いくつかの重要な利点があります。
第1に、赤外線センサーはレーダーとは異なり、電波を発しないため敵に探知されにくいメリットがあります。これによりF-22は、逆探知されるリスクのあるレーダー電波の発振を抑制し、従来以上にステルス性を維持しつつ敵機を追尾できるようになります。
コメント