「あっ、自動運転バス!」対向車も思わずストップ 神奈川のど真ん中で公道テスト始めるワケ 相鉄バスの答えは?
相鉄バスなど3社と海老名市は、公道を使用した自動運転バスの実証実験を行っています。各社と自治体の狙いはどこにあるのでしょうか。また、乗り心地はどうでしょうか。実験初日、その様子が報道陣へ公開されました。
決して全車両を自動運転化するわけではない
十字路を過ぎるとまもなく市役所です。入口に横断歩道はありませんが、バスは歩道を横切る際にもしっかりと一時停止していました。

駅東口からの所要時間は5分でした。前出のとおり渋滞気味でもあったことから、速度は14km/hほど。ブレーキ時に、ややガクっとした乗り心地とはなるものの、クラッチがないEVバスは0kmからの加速(発進)がスムーズであり、一般的なバスで体感する変速の際の揺れはありませんでした。
さて、市役所の1階には遠隔監視室が設けられていました。ラップトップ型のパソコンをマスターコンピューターとし、その脇に置かれたモニターには、カメラ映像をはじめバスが取得した様々な情報が映し出されています。パソコンの前では、大型二種免許を持つ運転士が1人、常時監視していました。今回の実証実験は「自動運転レベル2」に該当し、これはバスの運転席に運転士を配置した状態で遠隔監視する形態をいいます。
通信には5Gワイドが用いられ、混雑エリアや時間帯においても通信が安定し、モバイルネットワークでも安定した映像を伝送できます。
実証実験について、相鉄バスの大久保忠昌社長は「高齢化、生産年齢人口の減少を迎えつつある中、グループ全体で選ばれる沿線を目指して、日常生活の足を維持、便利にしていきたいと考えている。弊社の沿線は狭い道や坂が多く、またCO2削減の観点からも小型EVバスが適していると感じた」と話しました。
また、「生産年齢人口の減少により乗務員が不足することへ備えるため、今から自動運転の実証実験を始めておきたい」といい、通勤・通学の大量輸送は従来通り乗務員が担い、日中などそれ以外の地域輸送は小型バスによる自動運転で、というように、すみ分けも検討したいとしています。
実証実験は駅~市役所間で実施されていますが、海老名市では現時点で、これ以外の運行は予定していないとのこと。ちなみに市役所近辺が2024年、市街化区域に指定されたため、市の職員は「建設される新しい街に自動運転EVバスが走るという、先進かつ環境に優しい交通モードが確立すれば」と話していました。
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