モンキーより小さい「世界最小バイク」ついに新型!? シリーズ最小・公道OKの“25cc” 想像以上に小さい!?
公道を走行できるバイクとしては”世界最小”と言われる「仔猿」、その”新型”が登場しました。自ら組み立てるキットバイクで、宅配便でも納車が可能だったモデルは、さらに小さくなっています。
バイクを作り上げた瞬間は「人生の扉が開く瞬間」でもある
佐々木さんは、学生時代よりバイクレースに参加し、大学卒業後に本田技術研究所に入社、名だたるバイクたちを開発してきました。独立してからも国内外のバイクに様々な面で関わり続け、今日に至ります。

その長い人生において「バイクを乗る楽しさ」「バイクをいじる技術面の楽しさ」双方を体験した思いをC25という仔猿シリーズの最小モデルに目一杯詰め込んだようにも感じます。
聞けば、今回のC25は、「ASHITA 仔猿」というプロジェクトを冠してのリリースでもありました。
「バイクが持つ魅力を次世代に伝える存在として、この活動を通じて子どもの味方になりたいと思って立ち上げたプロジェクトです。例えば、C25をオーダーしてくれた子どもは、友達と一緒に情報交換や試行錯誤を重ねながら、バイク作りの作業に取り組んでもらいます。そんな苦労を経てようやく出来上がったC25を前に、友達同士で話し合ったり、ご飯を一緒に食べたりする時間は本当に楽しい時間でしょう。
そして、組み立てたC25のナンバーを取りに役所に行き、社会が認めてくれた『自分が作った初めてのバイク』にナンバーをつける……それは『人生の扉が開く瞬間である』ことを僕は身をもって経験してきています。こんな『子どもたちの未来にバイクを』という思いを強く反映させたのが今回のC25でもあるんです」(佐々木さん)
1960(昭和35)年前後、本田宗一郎は「子どもたちにバイクという乗り物に親しんでほしい」と中学校にバイクを寄贈したことがありました。また、1961(昭和36)年には東京・日野にバイクの楽しさに触れてもらうための施設・多摩テックをオープン。この多摩テックの遊具だった小さなバイクが結果的にモンキーの原型となり、市販以降50年以上、多くの世代に愛されることとなりました。
佐々木さんのC25および「プロジェクトASHITA 仔猿」に込める姿勢は、かつての本田宗一郎の思いやホンダの黎明期の取り組みを思い起こさせます。
「宗一郎さんの当時の思いや、遊具だったモンキーの原型に込められた思いは、今の僕の気持ちとほとんど同じです。バイクを通して子どもたちに『生きる力』を見つけてくれたら良いなと思っています」(佐々木さん)
肝心の初代C25の販売台数は10台で、価格はCKデザインが最初に提供するメタルモデルキットだけで約20万円。これに加えて残りの部品類を調達する場合は合計5~6万円の予算で収まるだろうと佐々木さんは言います。さらにネットなどでの追加部品調達で、失敗などを回避するために、必要があればCKデザインがサポートもするとも。
バイクの楽しさを、次世代を支える子どもたちに伝えるだけでなく、その子どもたちの将来をリードするのもまたバイク……C25にはこんなアツい思いも隠されていました。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。
コメント