ヘリの大手メーカーが“奇妙な機体”を公開「飛行機とドローンかけ合わせた航空機」飛行実験を実施
多種多様な用途に活用できる次世代?
輸送、偵察、監視など様々な用途で使用可能?
ロッキード・マーチンの子会社であるシコルスキーは2025年3月10日、無人航空システム(UAS)である「ローターブローンウィング」を、ヘリコプターモードと飛行機モードの両方で飛行させるための高度な制御法の検証に成功したと発表しました。

テスト機の翼幅は10.3フィート(約3.14m)。バッテリーで駆動する15ポンド(約52kg)の双発プロップローターとなっています。同機は、すべての飛行領域において運用上の安定性と操縦性を実証し、ハイブリッド電気推進を必要とする大型機へのスケールアップの可能性を示したとのことです。
飛行機とマルチコプタータイプのドローンの両特性を持つこの機体は、甲板や未舗装の地上から離陸ができるうえ、操縦従来のヘリコプターよりも高速かつ長距離飛行が可能ということで、シコルスキーは次世代の「VTOL UAS」としています。
今回のテスト中に、テスト機は40回離陸を行い、垂直飛行から水平飛行への移行に30回ほど成功し、巡航速度86ノット(約160km/h)の最高速度に達したそうです。このデータは、実寸大スケールモデルを使い行われた風洞試験でのデータと比較することで、新たに開発された制御法則の有効性を検証するために役立ちました。
シコルスキーは将来的に、同機を捜索救助、消火活動の監視、人道支援、パイプラインの監視など幅広い用途への活用を目指すようです。様々な大きさでの運用が考えられているようで、大型機に関しては長距離での情報収集、監視、偵察、有人無人機チーム(有人機と無人機の連携)ミッションが可能になるとしています。さらに全ての機体には、飛行中の機体のナビゲーションを行うシコルスキーの「MATRIX」飛行自律システムが搭載されます。
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