「超静かなタイヤ」構造も超複雑!? “見たことない溝”に“不思議な突起” 初の「EVマーク」入りダンロップ試乗
エンジン車よりもはるかに静粛性の高いEVの普及に呼応して、「EV」マークを付けたタイヤも増えています。ダンロップで初めてEVマークを刻印した新商品は、形も溝も内部構造までも、従来タイヤとは大きく異なっています。
溝が複雑 溝の中も複雑!?
接地面が丸みを帯びているタイヤでは、たとえば右カーブ時に接地面の左上の一部分が有効にグリップしておらず、そこが逆ねじれを起こしたり、ねじれ戻しが起こったりしており――それを抑制しようとするとサイドを固めるしか方法がなかったとのこと。

するとゴツゴツした乗り心地になってしまうのですが、接地面をフラット形状にして全体が効率的にグリップするようになったことで、ねじれ戻しもなく無駄なノイズを出すこともなく、しなやかな乗り心地とハンドリング性能を両立することができたのです。
この技術進化には、データ収集および解析の技術が飛躍的に向上したことも関係しているそう。データ解析の結果が短い時間で得られるようになったことで、こうしたグリップ状況の可視化もしやすくなったといいます。
続いて、ノイズ低減には最新の3つの技術が搭載されました。特徴的なのは、すべてのノイズを消すのではなく、目立つ音(周波数)に注目してピンポイントでそれらに効く技術となっている点です。
まず一つはパターンノイズに効く「シームレスグルーブ」。トレッド面全体で、主溝に対して斜めに細かな溝が刻まれています。これは、ブロックと溝が交互に接地することで起こる周期的な音に注目し、ブロックと溝が途切れる部分のないようなパターンを採用することで、周期的な音の発生を低減しています。
次に、もう少し低い周波数のパターンノイズに効果的な「デュアルスロープ」という技術。主溝のなかにスリップサインとは別の突起部があり、なだらかなスロープを形成しています。これは、筒の中を空気がストレートに流れて振動することで出る音を、空気の流れを乱すことで音圧を下げるイメージで、タイヤの主溝内部にスロープを配置し、主溝内を通る空気の振動を阻害してノイズを低減しています。
そして、車内に最も高い周波数で響いてくるロードノイズに対しては「サイレントコア」という技術を搭載。これは住友ゴム工業が発明した特殊吸音スポンジで、タイヤ内部の空気振動を吸収することでノイズを低減させるものです。
サイレントコアがないタイヤは、路面の突起を乗り越した時のタイヤ内部の圧力に大きな偏りが出るのに対し、サイレントコア搭載のタイヤは空気の振動を効果的に抑制。SPORT MAXX LUXではスポンジを最適形状に専用設計し、容積を増やすことで吸音性を高めています。
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