日本唯一の防衛系総合展示会「DSEI」今年は超拡大! 注目の“軍民両用”技術 海外からも大集結!?

2025年5月21日から、幕張メッセで日本最大の防衛装備品展示会「DSEI Japan 2025」が開催されます。今年は過去最大規模となる予定ですが、注目すべきは大手の防衛関連メーカーだけではないようです。

中小企業の特設エリアまで! 日本の技術を世界にどうアピールする?

 そこで、DSEI Japan 2025では「ニューカマー・ゾーン」という名称で、防衛や安全保障分野でも活用できる技術やアイデアを持つスタートアップ企業や中小企業を紹介するコーナーが設けられる予定となっています。

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STエンジニアリングが開発した「ハンター」歩兵戦闘車。シンガポール陸軍に採用されている(竹内修撮影)。

 このコーナーでの展示が、どれだけの効果をスタートアップ企業や中小企業にもたらすのかは未知数です。しかし、このコーナーに出展する企業が、まだ世にあまり知られていない「金の卵」を持っている可能性もありますので、もしかすると第2、第3のスキャンイーグルが誕生する瞬間を目の当たりにできるのかもしれません。

 さらに、メディア向け説明会ではシンガポール最大の重工業メーカー「STエンジニアリング」の初出展が明らかにされています。

 STエンジニアリングは日本での知名度こそ高くありませんが、地元のシンガポール軍向けの防衛装備品の開発と生産はもちろん、自国に防衛装備品を生産するメーカーがあるアメリカやイギリス、スウェーデンなど100か国以上に防衛装備品を輸出している実績のある企業で、海外の防衛装備展示会やエアショーでは常連となっています。

 同社はスマートシティ技術の開発にも熱心に取り組んでおり、どちらかと言えば民生技術を得意分野としているため、それに関連する展示が行われるのかもしれません。また、出展企業名は明かされませんでしたが、韓国、チェコ、ポーランド企業の出展も予定されています。

 こうした幅広い地域の国々から企業が出展してくることは、日本にとってもさまざまなチャンスになり得ます。たとえば、フィンランドのパトリアは2019年からDSEI Japanに参加していますが、同社の装輪装甲車「AMV XP」は現在陸上自衛隊に採用されています。

 この当時、AMV XPが陸上自衛隊に採用されると予測していた人は多くなかったのではないかと思います。今回のDSEI Japan 2025に参加するアメリカやヨーロッパの大手以外の企業の製品が、自衛隊に採用される、あるいは将来日本が防衛装備品を共同開発する際のパートナーとなる可能性も大いにあると筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。

【デカすぎる“ベンツ”も!?】DSEI Japan参加各国の防衛装備品を写真で(画像)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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