ジブリ映画ゆかりの地に「まるごと迂回トンネル」30日ついに開通! 細道だらけの港町が激変?
広島県福山市の鞆地区で建設が進められてきた「鞆未来トンネル」が、2025年3月30日に開通します。
景勝地「鞆の浦」をまるごと迂回
広島県福山市の景勝地・鞆(とも)の浦に、「鞆未来トンネル」が2025年3月30日に開通します。

鞆は、江戸時代から港町として栄え、スタジオジブリ作品『崖の上のポニョ』の舞台のモデルになったことでも知られています。しかし、古くから形成された鞆の市街地は、入り組んだ細い道にクルマがあふれ、市民生活にも支障をきたしていることが課題でした。
新たなトンネルは、瀬戸内海に面した旧鞆町の市街地の山側を約2.11km迂回し、市街地に通じる主要県道同士を結びます。市街地の通過交通を転移させ、交通量を減らすことが狙いです。
実はこのトンネルには、“前身”の計画も。1983年、海側を埋め立て、県道に並行する形で架橋によるバイパス案が持ち上がると、伝統的な景観が損なわれるとして反対する住民と推進派とが対立。『ポニョ』公開翌年の2009年には、県に埋め立て中止を命じる判決が出ました。
この架橋案の代替となったのが、今回のトンネルです。県はこのトンネルについて、沼隈半島を周回する道路ネットワークの構築を図るとしており、観光面の効果も期待しています。
湖上の鳥居で知られる滋賀県の白髭神社前の国道も拡張工事が見送られ、山側にトンネルを掘ってバイパスする様に計画変更されました。
時間と費用はかかっても歴史的な景観を守る風潮になったことは喜ばしいと思います。