F-35「やっぱり導入したくない!」でも、難しい…? 踏んだり蹴ったりのカナダ 20年越しのジレンマ
これまで紆余曲折を経てきたカナダのF-35A導入計画ですが、これに再び暗雲が立ち込めています。トランプ大統領の発言や関税措置の発動を背景に、再び導入キャンセルの声が上がっていますが、じつはそれほど単純な話ではなさそうです。
導入キャンセルが簡単ではないワケ
トランプ大統領が関税措置発動とカナダ併合を公言してから、SNSではF-35Aの導入をやめて、CF-18の後継機選定の際に次点となった、スウェーデンのサーブJAS39「グリペンE/Fを導入しようという書き込みが少なからず見られます。

カナダはF-35Aを88機導入する計画で、このうち16機分は購入資金を支払い済みです。カナダの国営放送局CBCは、ブレア国防相が16機については受領するものの、72機についてはグリペンE/Fを導入することを示唆したと報じています。
グリペンE/Fはアメリカのジェネラル・エレクトリックが開発したF414-GE-39Eターボファン・エンジンを動力としています。カナダのF-35Aの導入金額は約190億カナダドル(おおよそ2兆円)と発表されており、仮にカナダがF-35A 66機をキャンセルすれば、アメリカ経済にとっては小さくない打撃となります。
そのような事態になった場合、アメリカはF414エンジンの海外移転に許可を出さない可能性がありますので、F-35Aの代わりにグリペンE/Fを導入するのは容易なことではありません。
前にも述べたように、カナダはF-35の共同開発計画に出資しています。その見返りとして、100社を超える同国企業がF-35の生産に参画しており、その売上額は1997年から2021年までに13億アメリカドル(約1,940億円)に達しています。
アメリカはカナダが一旦F-35Aの導入を白紙撤回した際、もしカナダがF-35Aを導入しなかった場合、カナダ企業に発注しているF-35の部品の製造などの仕事を引き上げると何度かほのめかしており、もしこれが実行された場合、カナダの航空防衛産業が受ける打撃は大きいと考えられます。
また、F-35の部品製造には携わっていないものの、アメリカ政府から通信中継機と偵察機を受注しているカナダの航空機メーカー、ボンバルディアのエリック・マルテルCEOも2025年3月17日に、F-35の導入見直しによるアメリカ政府との関係悪化で、自社が被る損害の可能性を懸念する発言を行っています。
カーニー首相も、F-35Aの導入キャンセルが困難なことを承知しているようで、2025年3月25日の会見では、F-35Aの導入計画の見直しは進めていくものの、その中にはカナダ企業のF-35の生産と、アメリカ企業からのF-35関連の投資の拡大を求めていく可能性があると述べており、3月17日の発言と比べると、トーンダウンしたようにも見受けられます。
カナダでは4月28日に総選挙が予定されており、カナダ政府のF-35Aの導入計画の見直しは、その選挙の結果によって決まるものと考えられます。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
F35導入が無くなったら、そのうちJ20の劣化版を受け入れる様になっちまうよ
問題の本質はカナダが中国移民の受け入れ過ぎ
気付かぬうちに思想が中華になってるよ