F-16は「精密なメス」旧ソ連機は「大雑把なハンマー」ウ軍F-16パイロット 米ソの機体の違い語る

現場パイロットの素直な機体の感想。

巡航ミサイル撃墜や遠距離攻撃に効果を発揮?

 ウクライナ空軍の公式YouTubeチャンネルは2025年3月26日、F-16パイロットのインタビューを初公開しました。

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ウクライナ空軍のF-16(画像:ウクライナ空軍)

 出演しているパイロットの名前やコールサインは公表されませんでしたが、「F-16に搭乗し、毎日複数の任務をこなしている」と明かしました。

 主な任務は、ロシア側からインフラ攻撃などで飛来するシャヘドのような徘徊式自爆ドローンや巡航ミサイルの撃墜といった防空任務をはじめ、MiG-29、Su-27、Su-24、Su-25など、ウクライナ空軍が運用する旧ソ連製機体の航空援護などといいます。

 防空任務においてF-16は、「シャヘド」や巡航ミサイルに対してかなり卓越した性能を発揮するようで、パイロットは「発射するミサイルのほぼすべてが標的に命中します。 80%以上のミサイルが目標に到達し、シャヘド無人機や、陸・海・空から発射される巡航ミサイルなどの脅威を無力化しています」と話します。

 しかし、これら以上に現在同機に重要となっているのが、前線の後方にあるロシア軍の施設や陣地に対する攻撃のようで、パイロットは「戦術的深部にある標的を攻撃することに重点を置いている。その影響力は依然として大きい」と明かします。

 これはF-16の性能的な特徴によるものが大きいそうです。F-16の地上攻撃は精密に目標を攻撃する「メス」のようなイメージとのことです。それと比較し、MiG-29 、Su-24、Su-27などの航空機は、ハンマーのように大雑把に面制圧する際の攻撃に適しているとのことでした。

 F-16をめぐっては、2024年7月31日にウクライナに初めて到着。8月初旬以降、少なくとも10機程度がウクライナで戦力化されており、それ以降も追加で機体が供与されていると欧米のメディアが報じています。最終的にウクライナはデンマーク、オランダ、ノルウェー、ベルギーなどから100機弱のF-16を受領する予定です。

 なお、ウクライナ空軍は運用しているF-16の画像をわずかながら公開しており、その中には機関砲を撃ったと思われる機体や、ノルウェーやベルギー時代の機体塗装のまま国籍マークだけを変えた機体なども確認されています。

【画像】あ、元の保有国の機体色!? これが、新たに公開されたウ空軍のF-16です

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